研究課題/領域番号 |
23K25584
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補助金の研究課題番号 |
23H00887 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
小区分80030:ジェンダー関連
合同審査対象区分:小区分80030:ジェンダー関連、小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
野上 元 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50350187)
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研究分担者 |
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
西村 明 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00381145)
柳原 伸洋 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00631847)
福間 良明 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70380144)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
木村 豊 大正大学, 心理社会学部, 専任講師 (70769059)
一ノ瀬 俊也 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80311132)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2027年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 社会意識 / 両義的DK / 安全保障 / 平和 / 戦争社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
安全保障問題に揺れる現代日本の社会意識について、その揺れや繊細さを取り逃すことなく把握することを試みる。そのために採る方法は、この問題に関し、国際比較のなかでもとりわけ比率が高く出ている日本社会の「わからない:DK」回答に注目することである。無関心・理解不能ゆえに選ばれる「疎外的DK」を排除しながら、問題の難しさを十分に理解して選ばれる「両義的DK」に注意して設計された調査を実施し結果を分析する。
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研究実績の概要 |
まず、本課題が開始する直前の2023年3月に行ったインターネット意識調査の調査結果を分析する作業が必要だった。この調査は、2022年2月・3月、2023年3月と、できる限り反復回答者を募って行われている。その分析を4月以降、進めた。 また、本課題が取り組む計量社会意識論に関わり、日本における社会意識論の系譜の一つを検討する必要があった。吉川徹がかつて「空き家」と称した、見田宗介以降の社会意識論のゆくえである。このテーマに関し、「亡命先としてのメディア論――社会意識論・歴史社会学のゆくえ」を5月に公刊した。野上は、この論文を収める『吉見俊哉論』(人文書院、2023年)の共編者の一人でもあった。 さらに6月には、メルボルンで開催された第20回国際社会学大会に参加し、RC01で研究報告「Ambiguous Attitude and Modest Organization: Pursuing the Postmodern Military」を行った。野上(2021)「軍事におけるポストモダン」で指摘したとおり、軍隊と市民社会の相互観察を更に観察するという課題である。自衛隊の市民社会に対する観察の表れとして、広報の変遷や類型につき、海外の軍事社会学・「軍隊と社会」研究の専門家を前に報告した。 そして10月には、第96回日本社会学会大会に参加し、計量社会意識論の研究者が集う部会「文化・社会意識(2)」で研究報告「平和・安全保障をめぐる社会意識調査における方法論上の留意点:遷移のなかのDK回答への注目」を行った。本課題の中心課題である「DK(わからない)」回答をめぐる遷移に注目し、対応分析(特に知識量や関心との対応)を用いて「DKの固守」「DKへの/からの遷移」を検討した。 3月には、4度目となるインターネット意識調査を行い、分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前記の通り、社会意識論の理論的文脈の検討、意識調査を反復調査として継続すること、その調査結果の分析、国際学会での成果報告、計量社会意識論の部会での報告など、概ね順調に研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
前記の海外・国内の研究報告の論文としての公刊が済んでいないので、まずこれに取り組む。さらに、2024年3月調査の調査結果の分析を進める必要がある。 ただこの調査は、ウクライナ開始直前に1回目を実施したことから、反復調査により収集されたデータの理論的・実証的可能性を求めて都合4回継続し、「DK(わからない)」の動態を押さえることに効果的なものであったが、ウクライナ戦争も長期化してきたこともあり、「開戦直前から続く反復調査」の意味が薄れてきているのも事実である。 改めて、本課題の中心である「DK(わからない)」の静態と動態をめぐり、より汎用性が高く継続可能な調査の設計を進めなければならない。 これらの成果を確実に形にしてゆく研究を進めながら、最終的な研究の公表形態や、問題提起を含んだ市民社会へのアウトリーチに関しても検討を研究分担者との間で議論し、進めてゆく必要がある。
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