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脳海馬に作用し認知機能を向上する食品ペプチドの探索とそのメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K25604
補助金の研究課題番号 23H00907 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関宇都宮大学

研究代表者

水重 貴文  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70571008)

研究分担者 鈴木 智大  宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (10649601)
蕪山 由己人  宇都宮大学, 農学部, 教授 (20285042)
高堂 裕平  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主幹研究員 (60593564)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
キーワードペプチド / 認知機能 / 海馬 / ストレス / マウス / 行動 / 体内動態 / ドーパミン
研究開始時の研究の概要

認知機能向上作用を有する食品ペプチドを探索し,海馬での現象を中心にその作用メカニズムを解明する。具体的には,①食品由来活性ペプチド候補の探索,②食品由来活性ペプチドの体内動態と代謝動態の解明,③食品由来活性ペプチドの作用点・標的分子の同定,④食品ペプチドによる認知機能向上作用メカニズムの解明を目標とする。これらの解析により,食品ペプチドの新たな認知機能制御分子としての可能性を探る。本研究の成果により,経口摂取で有効かつ安全な認知機能を向上・低下予防する新規機能性素材の開発につながることが期待される。

研究実績の概要

本研究では、食品由来の認知機能向上ペプチド候補の探索、食品由来活性ペプチドの体内動態と代謝動態の解明、食品由来活性ペプチドの作用点・標的分子の同定、食品ペプチドによる認知機能向上作用メカニズムの解明を目的としている。本年度は研究1年目として、1種類以上の認知機能向上ペプチドを見出すことを目指した。マウスによる物体認識試験でスクリーニングし,熱処理した生姜酵素で分解したコラーゲン分解物(HGDCH)がその経口投与により認知機能向上作用を有することを見出した。HGDCH中に豊富に存在する環状Gly-Pro(cGP)も認知機能向上作用を有することを見出した。加えて、魚肉タンパク質分解物も認知機能向上作用を有する傾向があることを明らかにした。
マウスにHGDCHを経口投与し循環血と脳海馬抽出物に存在するペプチドを調べたところ、循環血と脳海馬抽出物にcGPが検出されることを明らかにした。cGPは、経口摂取後、腸管での消化吸収過程を経て、体内循環し、脳内移行している可能性が示された。
次に、HGDCHの認知機能向上作用に関する脳内メカニズムの検証を行った。認知機能制御に関連のあるドーパミン神経伝達系の関与をドーパミン受容体の阻害剤を用いて調べた。D1受容体阻害剤とD2受容体阻害剤をそれぞれ腹腔内投与し、HGDCHの認知機能向上作用が消失するか否か検討した。その結果、D1受容体阻害剤を投与したとき、HGDCHの認知機能向上作用が認められたが、D2受容体阻害剤を投与したとき、HGDCHの認知機能向上作用が消失した。
今年度の研究成果をまとめると、コラーゲン分解物HGDCHとその中に存在する環状ペプチドcGPが認知機能向上作用を有することを見出した。cGPは、腸管吸収された後、脳内に移行していることが示唆された。HGDCHの認知機能向上作用にはドーパミンD2経路が関与していることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

認知機能向上作用を有する新規素材を見出した。また、その素材に存在する活性ペプチド候補を1つ発見した。そのペプチドは、脳に移行している可能性が示され、脳に作用しうるものであることが明らかになった。認知機能向上作用メカニズムとして、ドーパミン経路が関与していることが示唆された。以上より、おおむね順調に進展しているものと評価した。

今後の研究の推進方策

今後、引き続き、食品タンパク質分解物や食品ペプチドの中から認知機能に影響するものを探索する。今年度見出したコラーゲン由来ぺプチドの認知機能向上作用のメカニズムを検討する。認知機能制御に関連のある脳内物質量の測定や遺伝子発現解析を行う。コラーゲンペプチド投与時の磁気共鳴イメージングを用いた脳内微量成分の解析を行う。コラーゲン関連ペプチドの循環血、門脈血、脳抽出物中の定量を行い、体内動態をさらに明らかにする。脳内イメージングにより、経口投与したペプチドが脳に移行しているかどうか検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Dietary Alaska Pollack Protein Induces Acute Skeletal Muscle Hypertrophy in Rats, Regardless of Specific Amino Acid and Amino Acid Balance of Diet2023

    • 著者名/発表者名
      Uchida Kenji、Fujitani Mina、Mizushige Takafumi、Hayamizu Kohsuke、Hara Yuma、Sawai Mariko、Utsunomiya Sachi、Uehigashi Ryota、Okada Shinji、Kishida Taro
    • 雑誌名

      Nutraceuticals

      巻: 3 号: 4 ページ: 513-528

    • DOI

      10.3390/nutraceuticals3040037

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コラーゲンペプチドの脳神経調節作用2024

    • 著者名/発表者名
      水重貴文、蕪山由己人
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] コラーゲンペプチドは海馬インスリンシグナルを活性化し認知機能を改善する2023

    • 著者名/発表者名
      大濵直輝、水重貴文、橋本颯太、多賀祐喜、楠畑雅、蕪山由己人
    • 学会等名
      日本アミノ酸学会第17回学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] そばプロラミンは腸内細菌叢の変化に伴 い抗うつ様効果を有する2023

    • 著者名/発表者名
      兼子歩乃圭、水重貴文、茗花美幸、金野尚武、 前田勇、羽生直人、蕪山由己人
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] コラーゲンの機能と応用2023

    • 著者名/発表者名
      真野博、君羅好史
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      シーエムシー出版
    • ISBN
      9784781317601
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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