研究課題/領域番号 |
23K25622
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補助金の研究課題番号 |
23H00925 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 白梅学園大学 (2024) 東京大学 (2023) |
研究代表者 |
小玉 重夫 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40296760)
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研究分担者 |
両角 亜希子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50376589)
井柳 美紀 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50420055)
田中 智輝 山口大学, 教育学部, 講師 (60780046)
堀本 麻由子 東洋大学, 文学部, 准教授 (70512630)
村松 灯 帝京大学, 理工学部, 講師 (70803279)
須川 公央 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (80581561)
二ノ宮リム さち 立教大学, 環境学部(仮称)設置準備室, 教授 (90646499)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | エージェンシー / アセンブリ / 高大接続 / シティズンシップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、政治的エージェンシーとしての市民の育成に関する教育学の理論枠組みを、高大接続改革と大学初年次教育に着目して思想的、実践的な観点から再構築しようとするものである。 その際、エージェンシーとアセンブリの視点をふまえる。エージェンシーを備えた学生が自発的にアセンブリする場として大学を捉え直すことで、高大接続と大学初年次教育を通して、政治的主体性を有する市民育成のための教育理論を構築することを目的とする。さらに、そうした理論的革新をもとに、政治性を有する市民を育成する高等教育の国際的ネットワークを築くことが、本研究のもう一つの目標となる。
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研究実績の概要 |
本研究は、政治的主体としての市民の育成に関する教育学の理論枠組みを、高大接続改 革と大学初年次教育に着目して思想的、実践的な観点から再構築しようとするものである。 その際、エージェンシーとアセンブリの視点をふまえる。エージェンシーを備えた学生が自発的にアセンブリする場として大学を捉え直すことで、高大接続と大学初年次教育を通して、政治的主体性を有する市民育成のための教育理論を構築することを目的とする。 そうした理論的革新を遂行するに当たっては、以下の3つのタスクを設定する。第一は大学改革の基盤となり得るような政治とガバナンスの検討、第二はエージェンシーとアセンブリをめぐる基礎理論の構築、第三は理論の実践化を担う拠点フィールドの形成である。初年度にあたる本年度は、これらの課題のそれぞれについて、参加メンバーが所属している大学のいくつかをフィールドとしたシンポジウム、学会でのラインドテーブル等を通じ、実践化へ向けてのキックオフを行った。 すなわち、第一の課題については、静岡大学において、大学と地域のガバナンスに着目して、若者が集える地域づくりと大学の役割をテーマとするシンポジウムを開催した。第二の課題については、教育哲学会大会のラウンドテーブルにおいて、教育における政治的主体の再考をアルチュセール思想の再検討を通じて行う討論会を行った。第三の課題については、初年次教育の当事者である大学一年生とともに、立教大学や東洋大学、東海大学での実践を突き合わせつつ課題を整理し議論を深める場を、教育思想史学会のコロキウムにおいて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
静岡大学のシンポジウムでは、大学と地域のガバナンスが若者が集える地域づくりを焦点として交差していく様を、実践者の報告によって共有することができ、地域のコモンズ形成において大学が担うべき役割を明確化することができた。教育哲学会大会のラウンドテーブルでは、アルチュセールのイデオロギー論の検討によって、主体からエージェンシーへの理論的発展を見通すことが可能となった。さらに、教育思想史学会のコロキウムでは、初年次教育の当事者である大学一年生とともに、立教大学や東洋大学、東海大学での実践を突き合わせつつ課題を整理し議論を深め、学部学生らの問題提起を受けて、学生のエージェンシーが課程内と課程外の双方において形成されるメカニズムとそこに内在する課題を整理することができた。これらは、当初の想定を超えて、次年度以降につながる発展的な成果であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果を受けて、次年度以降は、国際的な連携の強化にも踏み出していきたい。具体的には、参加メンバーが所属している大学を政治的シティズンシップ教育をめざす国際的な高等教育のネットワークとつなぎ、国際ネットワークを構築する。すでに、ハリー・ボイトを中心としたミネソタ州the Institute for Public Life and Workにおいて、2021年12月に高等教育におけるシティズンシップ教育の国際セミナーが開催され、小玉、堀本、二宮、藤枝が参加している。その後、この動きをCivic Studies conferenceとして国際的に発展させていこうという提案が出されているので、2年目は海外のメンバーを日本に招聘し、高大接続における政治的主体化の理論化と実践化へ向けての、足がかりを得ることをめざす。
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