研究課題/領域番号 |
23K25627
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補助金の研究課題番号 |
23H00930 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中矢 礼美 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (70335694)
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研究分担者 |
劉 国彬 福山大学, 大学教育センター, 准教授 (00782228)
姜 姫銀 広島大学, 外国語教育研究センター, 助教 (20855176)
福留 東土 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70401643)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 平和教育 / カルチャー・マップ / 高等学校 / 社会科 / 公民科 / 教科書 / 直接的平和・暴力 / 構造的平和・暴力 / 文化的平和・暴力 / 高等学校カリキュラム / 教員の教育意図 / 大学生 |
研究開始時の研究の概要 |
日本、韓国、中国、インドネシア、ミャンマー、ルワンダ、ポーランド、アメリカ、チリ、ボリビアを研究対象として以下を明らかにする。 ①諸外国における平和教育のカルチャー・マップの作製:各国の教育政策・カリキュラム・教科書を暴力の3領域および4レベルで分析し、平和教育の文化の傾向(平和教育のカルチャー・マップ)を示す。 ②カリキュラムの3次元の特徴とその背景・要因の分析 各国における教育政策・カリキュラム、高等学校の教師の平和教育に関する意識、大学生の平和構築に関する資質能力というカリキュラムの3次元の特徴を国際比較分析を通して明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度の研究目標は、10か国の高等学校における社会科系教科書を平和教育の視点から分析し、「意図されたカリキュラム」における平和教育カルチャー・マップを描くことであった。 研究計画書で予定していた国は10か国(インドネシア、ミャンマー、バングラディシュ、日本、韓国、中国、ポーランド、アメリカ、コロンビア、ルワンダ)であったが、変更や追加により12か国の高等学校社会科系教科書の分析を行うことができた。変更した国はコロンビアであり、教科書の入手の難しいこと、その後のインタビューが難しいことにより、チリに変更した。また、研究協力者を新たに確保できたために、カンボジアとボリビアを加えることができた。 各国の教科書入手として、ポーランドは最新の教科書は実践されていない状況が分かり、次年度以降の調査計画も鑑みて、旧教科書を再度取り寄せることとなった(教師ガイドは入手済み)。それ以外の国は、入手できて分析が進んでいる。 各国の分析の進捗状況は異なるが、進んでいる国から学会発表を行い、現在のところ、インドネシア、カンボジア、日本、中国、韓国については3つの学会にて発表をし、現在論文執筆中である。インドネシアとカンボジアについての比較研究では、「personal power」を切り口とし、日本と中国の比較研究ではは「自己観」「社会観」に焦点をあてて、イングルハートの世界カルチャー・マップを援用して平和教育カルチャーのマップを提示した。 そのほかの国については、遅れがみられるものの、2024年6月日本比較教育学会、7月にはアメリカ・コーネル大学での世界比較教育学会にて対象国すべてについて発表すべく要旨を提出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述したように、国情によって教科書入手が難しく、送られてきた教科書が最新のものでなかったり、最新の教科書が十分にも使用されていないことが分かって古い教科書に変更する必要が出てきたため、若干の国で分析が送れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、6月に日本比較教育学会のラウンドテーブルにて「諸外国における平和教育カルチャー・マップ:高校社会科教科書に見る平和の描き方」と題して12か国の比較研究成果を発表し、課題研究分科会では「平和教育カルチャー・マップ:市民レベルの対話と協働に向けて」と題して、本研究の研究方法について発表を行う。7月の世界比較教育学会では、Culture Map of Education for Collaborative Peace Buildingと題して、主に暴力に焦点を当てて発表する。 この発表準備を進める中で、2024年度の研究目的である、高等学校社会科教育への犯行増加インタビューの基本的質問事項を決定する。そして、後半以降は、研究対象国担当の研究協力者、分担者がそれぞれの国で高等学校の社会科教員に対してインタビューを行う。インタビューの人数は、10人程度とし、その結果はトランスクリプトを作成する。それぞれの言語を用いてNVIVOを用いてコード分析を行う。コードは、イーグルハートの価値観指標および教科書分析で平和・暴力概念や推進方法の多様性として、今後の市民レベルの対話で重要になってくる鍵概念(自己主張、自己効力感、暴力の責任の所在、社会正義の守り方)などを基本とし、それに加えてトランスクリプトから浮かび上がる各国の特徴的な平和・暴力をめぐる鍵概念とする。 年度内に各国のインタビュー結果とコード分析についての研究会を2回行い、年度末までに次年度の学会発表の申請を行う。同時並行で、前年度の研究成果を論文にまとめ、国内および国際ジャーナルに投稿をする。
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