研究課題/領域番号 |
23K25633
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補助金の研究課題番号 |
23H00936 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 田園調布学園大学 |
研究代表者 |
生田 久美子 田園調布学園大学, 大学院人間学研究科, 教授 (80212744)
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研究分担者 |
吉國 陽一 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 准教授 (00839219)
尾崎 博美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (10528590)
畠山 大 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10616303)
岩田 康之 東京学芸大学, 先端教育人材育成推進機構, 教授 (40334461)
八木 美保子 東邦大学, 理学部, 准教授 (50460035)
高橋 春菜 盛岡大学, 文学部, 准教授 (80781418)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 「教える」専門家 / 卓越性 / 国際比較 / 教えるー学ぶ関係 / 教員養成 / 教育学 / 教師の専門性 / アジア / イタリア / 省察的実践家 / わざ / 教える-学ぶ関係 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は“卓越的な「教える」専門家”を養成する「教育学」の特徴及び課題を明らかにすることを目指して,「教える」専門家が持つべき「卓越性」とは何かを明らかにする原理的探求,“卓越的な「教える」専門家”の養成に必要な制度及び実践プロセスの解明, 「教える」専門家における「卓越性」についての国際的な観点からの分析を行うことにある。以上の目的を達するため,本研究では“卓越的な「教える」専門家”の育成について,教育哲学・教育思想,教育史,教育制度・教育行政,教育実践の4つの専門領域からの探求を試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、科研の初年度として、文献調査、フィールド調査、インタビュー調査、研究会の実施を行った。文献調査は、日本の第二次世界大戦後の教育改革における開放制教員養成課程の検討、大学(主に学士課程)における教師養成のカリキュラムの構造、教育学的諸概念の検討を行った。 国内でのフィールド調査は、東京都、千葉県、岩手県等を対象として、教員養成課程に関する情報収集及び、「教える」能力・教材作成等の分析を含めた教師の専門性に関する調査を実施した。 国外でのフィールド調査は、アメリカのボストンにおいて教育哲学者のJane Roland Martin氏を訪問し、インタビュー調査を実施した(2023年5月)。また香港教育大学においてINTERNATIONAL JOINT SESSION "Considering Teachers' Competency: from the Perspectives of Hong Kong and Japan"を実施し、日本と香港それぞれにおける教員養成の課題を検討するとともに、国際的な視野から「教える」専門家を養成する「教育学」の研究を実施することの必要性を示した(2023年9月)。また、イタリア・ローマ(2023年8月)及びボローニャ(2024年2~3月)にて、教員養成に関する調査を実施し2024年3月にはボローニャ大学でInternational seminar "QUESTIONING EDUCATION"を実施し、日本と香港それぞれにおける教員養成の課題を検討した。さらに、ボローニャ第13州立総合学校タンブローニ校、ブオン・パストーレ校においてフィールド調査を実施し、授業見学及び学校教員との意見交換を行った。 以上の研究調査結果を踏まえ、成果の一部を雑誌論文、学会発表、図書において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画において、2023年度は「国内外の文献研究,理論的枠組みの検討,予備調査の実施」を行う期間として想定されていた。これに対して、新型コロナウイルス感染症の影響がある程度収束したことにより、アメリカ、香港、イタリアの国外3か所でのフィールドを実施することができた。 また、イタリアのボローニャ大学とは、これまでの共同研究の成果が2023年3月に著書Education:Questions and Dialogues (at) Workとしてまとめられたこともあり、国際セミナー、フィールド調査を実施するとともに、今後のさらなる発展に向けた知見を得ることができた。さらに、ボローニャ大学の国際セミナーは同大学の教育学部の学生の参加を得られ、本研究課題の成果の一部を学生世代とも共有することができた。 さらに、理論分析及び国内でのフィールド調査、情報収集等を計画通り進めることができ、2024年度の研究計画の準備を整えることができた。
以上のことから、本科研の研究計画は、おおむね計画どおりに進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、“卓越的な「教える」専門家”養成の実践に関する調査及び分析の期間であり、文献調査及び先行研究分析で明らかになった知見や理論的背景を踏まえて、「教える」専門家の育成に関する実践の調査及び分析に関する横断的研究(異文化間比較研究・国際比較研究)を実施することを想定している。 実際には、前述の通り2023年の段階でいくつかの実践に関する調査を行うことができ、その結果に基づきながら、さらに「教える」専門家としての教員を要請する理論・実践の分析を進めることを予定する。特に教師教育と教育学の関連について、国内外の大学の実践事例に即した資料収集と解析を継続する。 主な研究計画は、国外における教員養成に関する調査及び研究会の実施、イギリス、サマーヒルスクールにおける教育理論・実践に関する訪問調査である。また、香港(教育大学・中文大学)、中国本土(東北師範大学)、タイ王国(チュラロンコン大学)等を計画している。これと並行して国内での調査についても随時継続していく。上記の研究計画を遂行するために、質の高い調査を実施することを第一に考え、調査時期、方法等を精査していく。また、現職の教員に対するインタビュー調査の実施等を適宜進めていく。
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