研究課題/領域番号 |
23K25701
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補助金の研究課題番号 |
23H01004 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
光原 弘幸 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90363134)
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研究分担者 |
梁 滋路 京都先端科学大学, 工学部, 講師 (10782807)
畠山 久 東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (20725882)
城戸 楓 奈良県立医科大学, 医学部, 研究助教 (40749256)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2027年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | XR / メタバース / 避難訓練 / 生体情報 / 防災教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,Metaverse基盤の避難訓練XRシステムを開発・実践・評価する.1) 災害シナリオを基盤として生体センサや災害情報配信サービスなども活用し,避難時に発生しうる状況をリアルにシミュレート・可視化する.2) 初等中等・高等教育や防災イベントなどさまざまな現場で幅広いユーザを対象に,訓練後の振り返りを重視しながら,継続利用の要件や実践ノウハウを蓄積・体系化する.3) 中長期的に収集した複数のデータを詳細に分析し,避難訓練XRシステムが「どのように」「なぜ」有効・有用なのか?を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,メタバース基盤の避難訓練XRシステムを開発・実践・評価することである.1年目(開発注力期)は研究計画に従い,1) DRS(Diverse, Realistic, and Seamless)指向避難訓練XRシステムの全体設計,2) メタバース基本機能の実装,3) 訓練に適した仮想空間の構築,4) DRS機能(1次)の設計と実装,5) 生体データ取得機能の設計・実装に取り組んだ. 具体的には,1) Kolbの経験学習モデルに基づく理想的な避難訓練モデルを構築し,メタバースにおいて不意打ちの災害発生をトリガとした避難訓練フェイズ(具体的経験および能動的実験),訓練終了後の振り返りフェイズ(省察的観察および抽象的概念化)を循環させる全体設計を完了した.2) 大学メタバースを想定し,ユーザ登録,ユーザ(アバタ)間の音声コミュニケーション,教室空間内でのデジタル資料同期表示などの機能を実装した.さらに,メタバース内授業における教師アバタの外見の違いが学生に与える影響を実験的に評価した.3) 徳島大学理工学部キャンパスを高い再現度で3次元モデル化し,避難訓練実施に向けた3次元オブジェクトを整備するとともに,3次元都市モデルPLATEAUとの融合をめざして,技術的基盤を整備した.4) 地震災害に焦点を当て,災害状況を記述するシナリオの仕様を策定した上で,現実世界での地震発生をトリガとするメタバース内不意打ち地震発生機能,シナリオオーサリング機能,シナリオに基づく災害表現機能などを設計・実装した.5) スマートウォッチ経由で心拍データをリアルタイムに取得する機能を実装した.さらに,心拍データに応じた視聴覚演出の実現に向けて,視覚を制限する演出手法を考案し試作した.1)~5)の他,振り返りフェイズ支援機能として,訓練中の移動再現および視線可視化を実装した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目(2023年度)は「開発注力期」と位置づけ,研究計画に沿って,1) DRS(Diverse, Realistic, and Seamless)指向避難訓練XRシステムの全体設計,2) メタバース基本機能の実装,3) 訓練に適した仮想空間の構築,4) DRS機能(1次)の設計と実装,5) 生体データ取得機能の設計・実装に取り組んできた.現在までに,システムの機能を複数実装し,動作検証や小規模実験を通じて課題を発見・解決を継続している.4)におけるアバタ生成・カスタマイズ機能については,避難訓練に必要なプロパティの設定以外は外部サービスを利用する方針に変更したが,大きな計画変更や進捗の遅れには至っていない. 1年目において簡易的なメタバース内避難訓練を実施できるシステムを試作できていることに加え,2年目の実施項目として計画していた振り返り支援機能を先行して実装開始できている.また,多数ではないが,国内/国際会議において研究成果を発表できている.これらの成果を総合し,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
1年目を順調に進展できていることから,研究計画を変更することなく推進していく. 2年目「開発→実践・評価移行期」は計画通り,実践準備,実践現場に忠実でリアルな仮想空間の構築,試作システムの動作検証と簡易評価,DRS機能(2次)の設計と実装,生体データに基づく有効性分析支援ツールの設計と実装,システムの公開・運用および避難訓練実践,実践を通じた評価・追跡調査に取り組む.
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