研究課題/領域番号 |
23K25703
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補助金の研究課題番号 |
23H01006 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
瀬戸崎 典夫 長崎大学, 総合生産科学研究科(情報データ科学系), 准教授 (70586635)
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研究分担者 |
森田 裕介 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20314891)
田代 穂香 長崎純心大学, 人文学部, 助教 (30983233)
長濱 澄 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50779270)
北村 史 長崎大学, 情報データ科学部, 助教 (90613860)
福山 佑樹 関西学院大学, ライティングセンター, 教授 (90738353)
井原 章之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所小金井フロンティア研究センター, 主任研究員 (10619860)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | メタバース / バーチャル学習環境 / 防災教育 / STEAM教育 / 教材開発 / VR / AR / TUI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は異なる時間軸を有するメタバースを複数設定することで,「時空間マルチバース環境」を構築する.また,防災教育をテーマに,AR技術やタンジブルユーザインタフェースを適用することで,実環境との接続を可能とした防災学習環境を開発する.さらに,実環境や時空間を往還することによる探究的な学びをSTEAM教育に展開することで,学習者の資質・能力の育成を目指す.本研究の遂行により,マルチバース環境における学習効果を示すとともに,STEAM教育の概念を導入した先進的な防災教育の実践事例を蓄積する.
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研究実績の概要 |
マルチバース学習環境の構築に向けて,長崎における3つの大きな災害である,「長崎大水害」,「雲仙・普賢岳噴火活動による災害」,「原爆投下による災害」に関するコンテンツを開発する方針とした. 長崎大水害では,甚大な被害を受けた長崎市内の眼鏡橋周辺に加えて,長崎大学文教キャンパスのバーチャル環境を構築する.また,雲仙・普賢岳噴火活動による災害に関しては,土石流や火砕流による甚大な被害を受けた島原市の水無川周辺を再現する.さらに,原爆投下による災害については,爆心地から約500mの城山町のバーチャル環境を構築することとした.なお,2023年度では,長崎大学文教キャンパス(長崎大水害)と,長崎市城山町(原爆投下にる災害)の2地点のバーチャル環境を構築した. さらに,HMDによって参加可能なメタバース学習環境を構築し,「個別学習,一斉学習,協働学習」の3つの学習場面に応じた効果的なメタバース学習環境について検討することで,マルチバース防災学習環境の構築に向けた基礎データを得た.その結果,個別学習や一斉学習のような知識の伝達において,非日常的な環境を用意することで学習者に肯定的な印象を与える可能性が示された. また,水害シミュレーションを実装した防災学習環境を構築した.小・中学生を対象とした実践の結果,学習者の災害対策施設の配置活動が主体的な学びを促し,防災における実社会と接続した学びを提供できる可能性が示された.さらに,コンテンツ評価に活用すべく,IoTデバイスを利用した小学生の避難行動の可視化を試みており,効果検証の可能性が示された.その他にも,STEAM教育に関する基礎的研究や,多様な分野におけるバーチャル環境における学習効果に加えて,ARシステムを導入した遠隔コミュニケーションについてなど,2024年度での開発に向けた知見を得るべく本研究を遂行中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度から2024年度にかけて,時空間マルチバース環境の構築を研究計画に含めており,コンテンツ全体の構想と部分的なメタバース環境の構築を2023年度内に達成することができた.具体的には「長崎大水害」,「雲仙・普賢岳噴火活動による災害」,「原爆投下による災害」の3つの災害に着目することとし,4地点のメタバース環境を構築することを試みており,現状で2地点のコンテンツを開発することができた.また,STEAM教育に関する基礎研究や多様な分野におけるバーチャル環境での学習効果について,並行して研究を推進することができており,2024年度以降のコンテンツ開発に向けた知見も蓄積することができているため,概ね順調に進めることができている.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,前述した4地点のメタバース環境のうち,2地点のメタバース環境を構築する必要があり,引き続き現地調査も踏まえたコンテンツ開発に従事する必要がある.また,それぞれのメタバース環境と実環境を接続させるしくみとして,AR(Augmented Reality)技術やタンジブル(Tangible User Interface)技術を導入したコンテンツ開発にも取り組む予定である.なお,AR技術を活用したコンテンツ開発に向けて,研究分担者を1名追加し,研究推進に拍車をかける予定である.さらに,メタバース環境内における情報提示の効果も検証しつつ,探索的な活動を充実させるために,ゲーミフィケーションの要素を導入したコンテンツをデザインする必要がある. また,2024年度はコンテンツ開発を中心に研究を推進していくが,2025年度以降に推進する予定である,防災を学ぶSTEAM教育の授業デザインや,コンテンツ評価に関する研究も同時並行的に進める.
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