研究課題/領域番号 |
23K25720
|
補助金の研究課題番号 |
23H01023 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
梅田 貴士 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40451679)
|
研究分担者 |
宗尻 修治 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (90353119)
村澤 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (00284224)
乾 雅祝 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (40213136)
牧山 隆洋 弓削商船高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (20804553)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | 物理教育研究 / アクティブ・ラーニング / RCT / ランダム化比較試験 / 大学の物理教育 / PER / DBER / ピア・ディスカッション |
研究開始時の研究の概要 |
大学基礎課程の物理学授業においてアクティブ・ラーニング(AL)型授業を実践し、基本物理概念の理解だけでなく、より専門的な物理学の知識習得や問題解決能力の育成などの「伝統的授業内容」に対する有効性を明らかにする。AL型授業の有効性を定量的に検証するために実験計画法に基づく研究デザインを採用する。未だ確立していない伝統的授業内容に対するAL型授業の有効性についての詳細を明らかにし、AL型授業を大学物理教育に組織的に導入させる「大学授業改革」の糸口となることを目指す研究である。
|
研究実績の概要 |
大学基礎課程の物理学授業においてアクティブ・ラーニング(AL)型授業を実践し、基本物理概念の理解だけでなく、より専門的な物理学の知識習得や問題解決能力の育成などの「伝統的授業内容」に対する有効性を明らかにする。AL型授業として、様々な形態の授業に導入しやすい「ピア・ディスカッション」、さらに、本格的なAL型授業である「計画的訓練法」を取り入れた授業実践を行い、その有効性について調べる。これらの授業法の有効性を定量的に検証するために実験計画法に基づく研究デザインを採用する。未だ確立していない伝統的授業内容に対するAL型授業の有効性についての詳細を明らかにし、AL型授業を大学物理教育に組織的に導入させる「大学授業改革」の糸口となることを目指す。 2023年度は研究計画に従って、研究計画の詳細を確定させ、学生へのインフォームド・コンセントや個人情報保護の方針、それに基づく授業ガイダンスの内容、調査問題での同意事項の検討を行い、それに基づく倫理審査申請を行い許可を得た。さらにピア・ディスカッションを取り入れた授業実践へ向けた準備を進めた。本研究では、実験群クラスと統制群クラスにおいて、同一のパワーポイント資料を用いた授業を実施し、ピア・ディスカッションを実施する・しない演習問題を交互に組み込むことによって、ピア・ディスカッションの効果を分析するとともに、ピア・ディスカッションを実施しないことによる不利益を最小限に抑えることができる。1年目の授業実践を行い、問題点の分析を行った。この授業実践を行った内容を元に学会発表を行った。 また、今後の「計画的訓練法」を取り入れた授業実践を行うための情報収集として基本実験講習会への参加や、他大学でのAL型授業の見学などを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究デザイン・倫理審査:実験群クラスと統制群クラスにおいて、同一のパワーポイント資料を用いた授業を実施し、ピア・ディスカッションを実施する・しない演習問題を交互に組み込むことによって、ピア・ディスカッションの効果を分析するとともに、ピア・ディスカッションを実施しないことによる不利益を最小限に抑えることができた。このような修正を検討した上で研究倫理審査を申請して許可を得た。 ピア・ディスカッション授業:国立大学の工学部向け授業として開講されている伝統的な力学授業を対象として、ピア・ディスカッションの効果を定量的に調べるための研究として学会発表を行った。研究方法としてランダム化比較試験を採用し、毎回の授業で実施される例題演習において、ピア・ディスカッションを実施する実験群クラスと、教員による黒板解説を行う対照群クラスでの比較を行った。この学会では、2つの発表を行った。1つ目は研究計画に関する報告として、研究動機、研究方法の詳細について。2つ目は授業実践に関する報告として、授業実践の概要、調査データや、授業実践における結果の詳細について報告した。これらの内容を踏まえて、2年目の実践準備を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は引き続きピア・ディスカッション授業を行い、伝統的な力学授業におけるピア・ディスカッションの効果を定量的及び質的に分析し、その結果を学会で発表する予定である。また、関連する教育学の専門誌に論文を投稿することで、教育の質の向上に寄与する知見を広めることを目指す。 次に、「計画的訓練法」を授業に取り入れることについて、この方法は学生に特定の技能や概念を段階的に教えることを目的としており、各段階での学習成果が次のステップの学習に直接的に連結することが特徴である。このアプローチを実施するため、まずは他大学で実施されているAL型(アクティブラーニング)授業の事例を調査し、成功している事例や遭遇している課題について理解を深め、我々の授業設計に反映させることを考えている。さらに、各大学の教員との定期的な情報交換会を設けることで、互いの教育方法についての見識を広げ、連携を図ることも計画している。
|