研究課題/領域番号 |
23K25722
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補助金の研究課題番号 |
23H01025 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中原 久志 大分大学, 教育学部, 准教授 (00724204)
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研究分担者 |
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
上之園 哲也 弘前大学, 教育学部, 教授 (20735120)
世良 啓太 奈良教育大学, 技術教育講座, 准教授 (30802243)
勝本 敦洋 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30780621)
市原 靖士 大分大学, 教育学部, 教授 (20572837)
杉山 昇太郎 大分大学, 教育学部, 講師 (00910621)
藤井 弘也 大分大学, 教育学部, 教授 (70218981)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | ユーザビリティエンジニアリング / イノベーション / 技術・家庭科技術分野 / STEM/STEAM教育 / STEAM教育 |
研究開始時の研究の概要 |
学校現場においても,必ずしも一つの決まった正しい答えを求めるのではなく,多様な「知」を用いて試行錯誤しながら課題解決をしていくイノベーション力の育成が求められている。そこで本研究では「人文・社会科学の知」と「自然科学の知」の融合による「総合知」であるイノベーション力を創出するため,各教科での学習成果を技術科の学びに往還するSTEAM教育を指向した「社会的な問題を解決する学習」を提案する。その際,ユーザビリティエンジニアリングの考え方を取り入れ,STEAM教育の概念整理を図るとともに,問題発見・解決プロセスにおいて創出するイノベーション力を測定する尺度を構成し,体系的な学習活動について検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は,ユーザビリティエンジニアリングの考え方を取り入れたSTEAM教育の枠組みを検討するために,STEAM教育を実践する上で課題となっている「Technology」と「Engineering」の関係性を明確化にした。具体的には,文献等の知見から,①Technologyや技術は,目的達成のための個々の手段・手法やその結果であること,②Engineeringは,複数のTechnologyを組織してより大きな目的を実現する行為であること,③Engineeringと工学は重なる部分はあるものの,同様に捉えることは難しいこと,④EngineeringをEngineering ScienceとEngineering Design Processに分けて定義することで,学校教育におけるSTEAM教育への援用として位置づけやすいこと等を明らかにした。 また,ユーザビリティエンジニアリングを取り入れた教育方法で得られる教育効果として,技術科の材料加工学習後の生徒を対象としたユーザー視点の形成について測定した。その結果,中学生の考えるユーザー認識には,自分を含めた家族等の生活形態に着目し,生活環境や個人の特性に対して対応しようとしている記述(①自分・家族),年齢層に由来する心理的・身体的特性や,個に由来する性格や身体的特性,生活様式,嗜好性,職業,社会的役割等から生起するニーズに着目した記述(②特定のユーザー),ユニバーサルデザインのようにユーザーを全称的に捉えている記述(③全てのユーザー)の3カテゴリがあることが把握された。また,ユーザーを想定した製作品改良の視点として,安全性,耐久性,機能性等の8カテゴリを収集し,製作題材による表出の差異を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は,①「Technology」と「Engineering」の関係性を明確化し,②ユーザビリティエンジニアリングの考え方を用いた教育実践から現状を把握した上で,③様々な学問領域や実社会におけるビジネスモデルが反映されている利用コンテクストが反映されたSTEAM教育の枠組みを検討することであった。①と②に関しては調査・分析を実施し,学会発表を行ったが,国内外のSTEM/STEAM教育の実践事例を収集したところ,枠組みの検討の際に十分な議論や試行的実践の結果を踏まえた検討が必要であることが判明し,現在は枠組みの検討の前段階の情報収集及び議論を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に引き続き,本研究における課題1「ユーザビリティエンジニアリングの考え方を取り入れたSTEAM教育の枠組み検討」を行うために,十分な問題発見・解決プロセスを含み,ユーザビリティエンジニアリングの手続きが反映された学習活動の枠組みを提案する。また,課題2「技術科におけるSTEAM指向の問題発見解決型学習の実践と創出するイノベーション力の実態把握」について,教材開発を進め,中期的な授業実践を行い生徒がイノベーション力をどの程度形成しうることができるかについて,その効果を把握する尺度を構成するとともに,尺度の構成概念妥当性と基準関連妥当性等を評価する。
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