研究課題
基盤研究(B)
意識の記述形態、いわば物語のなかで、都合のよいデフォルトの知覚として成立した視覚世界にあっての、主観的現在における視覚対象について、いつ・どこにあると見なされるのか、時間生成と位置生成の両面を問う。観察者の脳内で使用できる計算素材の多寡によって生成される内容が変わるのか、自己身体運動や行為主体感とどのように相互作用するのか、を問う。そこにあれかしと観察者が「思い込む」ように実験的に仕向けることで物理的に存在しないはずの視覚対象が心理的に存在しうる状況を作り上げ、その錯覚的な事物にいかなる心的操作が可能かを調べる。