研究課題/領域番号 |
23K25770
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補助金の研究課題番号 |
23H01073 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入谷 寛 京都大学, 理学研究科, 教授 (20448400)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2027年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | グロモフ・ウィッテン不変量 / 量子コホモロジー / 双有理変換 / 導来圏 / ガンマ整構造 |
研究開始時の研究の概要 |
グロモフ・ウィッテン不変量はシンプレクティック多様体の「正則な曲面」の個数を数える不変量である.正則な曲面が満たす条件を様々に取り換えることにより,一つのシンプレクティック多様体から無限個の不変量が得られる.本研究の目的はこれらの不変量をまとめて得られる生成母関数(グロモフ・ウィッテンポテンシャル)の大域的な性質を調べることである.特に興味深いのは異なる多様体のグロモフ・ウィッテンポテンシャルが互いに解析接続により互いに関係するという現象であり,多数の研究者によって調べられてきた.本研究では応募者により導入された「ガンマ整構造」を用いてグロモフ・ウィッテン理論の大域的構造の研究に取り組む.
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研究実績の概要 |
グロモフ・ウィッテン不変量は複素多様体あるいはシンプレクティック多様体の中の「正則な曲面」の個数を数えて得られる不変量であり,それらを係数として,グロモフ・ウィッテンポテンシャルと呼ばれる母関数が定義される.本研究はグロモフ・ウィッテンポテンシャルを解析接続して得られる大域的な関数の性質やその大域的な関数が定義される定義域(ケーラーモジュライ空間)を調べることを目標としている.特に,互いに双有理同値である多様体のグロモフ・ウィッテン理論が(ポテンシャルの解析接続を通じて)互いに関係しあう現象の解明に重点をおくものである.この研究は双有理幾何学や導来圏の幾何学とも強く関係し,グロモフ・ウィッテン不変量による双有理幾何・導来圏の幾何への応用も視野に入れたものである. 本年度は最も基本的な双有理変換である,滑らかな中心に沿ったブローアップの下での量子コホモロジー(種数0のグロモフ・ウィッテン理論)の変化を調べた.その結果として,滑らかな射影多様体 X の滑らかな部分多様体 Z に沿ったブローアップの量子コホモロジーD加群が,X の量子コホモロジーD加群と,Z の量子コホモロジーD加群の(余次元ー1)個のコピーとの直和に形式的に分解されることが証明された.本結果は双有理幾何学への応用,特に,多様体の有理性問題への応用が期待される. 上の結果を導くうえで鍵となったのは同変量子コホモロジー上の同変シフト作用素の与える差分構造である.この差分加群の構造をフーリエ変換することにより,幾何学的不変式論的商(GIT商)の量子コホモロジーが得られると予想される.ブローアップをGIT商の変動として記述し,予想を特別なGIT商の場合に解決することにより上記の結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
長年未解決であった,量子コホモロジーに対するブローアップ公式が得られた.この結果は双有理幾何への多くの応用が期待されている.
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今後の研究の推進方策 |
ブローアップの下での量子コホモロジーD加群の形式的分解が明らかになったが,この結果を解析的な分解に持ち上げ,導来圏やガンマ整構造との関係を明らかにしていきたい.さらに,より一般の双有理変換の下での量子コホモロジーの変化,シンプレクティック商の量子コホモロジーに対するTelemanの予想(のD加群版),高種数グロモフ・ウィッテン不変量の双有理変換の下での変化,などについても研究を進めていく.
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