研究課題
基盤研究(B)
近年の実験技術の進展を背景に、量子多体系の主要な研究対象は、基底状態・平衡状態における相形成からダイナミクスや非平衡状態へとシフトしつつある。しかし、非平衡量子多体系の理論的理解は未だ発展途上にある。本研究の目的は、新たな数理的手法を開発し、量子多体系のダイナミクスに関する厳密な結果を確立することである。具体的には、1. 非エルゴード的な量子多体系のダイナミクス、2. 量子可積分系の動的相関関数・非線形応答の厳密な計算、3. 開放量子系のダイナミクスの解析、の3つのテーマに関する研究を進める。また、これらに留まらずブラックホールの解析や量子計算におけるノイズの問題などの学際的な研究も行う。