研究課題
基盤研究(B)
本研究は,BEDT-TTF分子系分子性導体が特徴的に有する2次元ダイマー三角格子強相関パイ電子系の電荷/スピン自由度と分子格子構造自由度の相関と競合が生み出す新しい量子液体・グラス状態,すなわち,高次ダイマー構造(テトラマー化)が誘起するバレンスボンド形成を伴った量子的グラス相の発見と解明を目的とする.量子グラス・液体状態の起源として分子格子構造の高次化(テトラマー)の重要性を明確にし,量子グラス・液体相発現への新ルートを提案する.本研究の進展により強相関パイ電子系の量子サイエンスの発展・深化に加えて,液体・グラス科学への貢献・展開が期待できる.