| 研究課題/領域番号 |
23K25826
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| 補助金の研究課題番号 |
23H01129 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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| 研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
中 惇 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (60708527)
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| 研究分担者 |
石井 史之 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 教授 (20432122)
妹尾 仁嗣 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30415054)
那須 譲治 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40610639)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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| キーワード | 交替磁性 / ピエゾ磁気効果 / アルカリ超酸化物 / π軌道自由度 / 電気磁気効果 / 反対称スピン軌道結合 / 有機導体 / 遷移金属酸化物 / 交差相関 / 交替磁性体 / altermagnet / SSHモデル / エッジ状態 / FFLO超伝導 / 熱ホール効果 / スピン分裂 / 電子相関 / スピン軌道結合 / 遷移金属化合物 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では「非相対論的なスピン軌道結合」を基軸とした強相関電子系の新しい交差相関現象を開拓する。これは従来の相対論効果である原子のスピン軌道結合とは本質的に異なり、物質の構造と電子相関効果に由来し、軽元素からなる物質でも重大な効果を及ぼす。そのため、典型的な軽元素の強相関系である有機導体や遷移金属化合物を対象として、非相対論的スピン軌道結合の発現機構を解明し、従来の物質の電磁応答と一線を画す非対角応答を開拓する。物質に即したモデル解析と第一原理計算を相補的に活用することで強相関系の隠れた機能性を明るみにし、新しい強相関スピントロニクスの研究領域を創成する。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、近年「交替磁性体」として注目されている時間反転対称性を破るコリニア反強磁性体の非相対論的なスピン軌道結合効果について、以下の研究を行った。1)交替磁性の候補物質であるκ型有機導体を対象として、第一原理計算に基づく有効モデル解析により、応力印加によって磁化が生じるピエゾ磁気効果が発現することを見出した。これは従来議論されてきたスピン軌道結合に由来するピエゾ磁気効果とは異なり、電子遷移の応力変化と反強磁性の協力効果によってエネルギーバンドに生じるs波型のスピン分裂、および反強磁性磁化の熱ゆらぎに起因することを見出した。本研究の内容を論文化し、現在査読中である。2)アルカリ超酸化物CsO2において、低温の中性子線回折で観測されている特異なストライプ型反強磁性状態の微視的起源を探った。O2-イオンが持つπ軌道自由度を考慮した多軌道ハバードモデルに、近年実験的に明らかになったCsサイトのヤーンテラー歪みを取り入れたモデルを平均場近似により解析することで、ストライプ型の反強磁性秩序が現実的なパラメータ領域で安定化することを見出した。これはヤーン・テラー効果による軌道自由度の凍結と、これに伴う交換相互作用のフラストレーションによって理解できることを明らかにした。さらに、フラストレーションの効果によって時間反転対称性を破る交替磁性状態が基底状態に近いエネルギー領域に存在することを指摘した。3)近年実験的に提案されたα型有機導体の低温反強磁性状態を動機として、α型の低対称分子配列と反強磁性の協力効果による電気磁気効果の発現可能性を探った。この系の電子状態を記述する拡張ハバードモデルに反対称スピン軌道結合を加えたモデルを平均場近似により解析した。その結果、絶対零度および有限温度において磁場印加によって電気分極が発現することを見出した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
1)本研究の発端となった交替磁性体候補物質であるκ型有機導体において、スピン流や異常ホール効果に続く新たな交差相関応答としてピエゾ磁気効果の提案し、昨年度の計画通り論文投稿を行うことが出来た。2)アルカリ超酸化物CsO2の特異な低温反強磁性状態に対する理論研究を行い、π軌道自由度の役割を明らかにすることが出来た。軌道秩序+反強磁性秩序によって実現する交替磁性状態が基底状態とほぼ縮退することを見出した。これは軌道秩序系における交替磁性の実現可能性を示唆する有意義な結果といえる。3)これら以外にも、交替磁性由来のFFLO状態に対するスピン軌道結合効果の研究や量子異常ホール効果のモデル解析も着実に成果が出始めている。さらに派生課題としてα型有機導体の電気磁気効果の研究も実施することが出来た。また、交替磁性体の交差相関に関する解説記事やペロブスカイト型交替磁性体のレビュー論文の出版、招待講演も複数回行った。
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き交替磁性体の電子状態および交差相関に関する理論研究を継続する。まず1)交替磁性由来のFFLO状態に対するスピン軌道結合効果の研究、2)交替磁性由来の量子異常ホール効果の研究、3)α型有機導体の電気磁気効果の研究の論文化を目指す。また、4)交替磁性体のピエゾ磁気効果に関してスピン軌道結合由来の相対論効果とスピン分裂由来の非相対論効果の間の協力現象を調べる予定である。さらに、5)近年実験が精力的に行われている直方晶系の交替磁性体候補物質(ペロブスカイト系やオリビン系)の交差相関応答の開拓にも着手したい。
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