研究課題
基盤研究(B)
自律的に動く粒子(アクティブマター)は群れや渦などの集団運動を示す新たな非平衡系である.生体組織の立体的形状を決める上皮細胞は堅牢なバリア構造をつくることで知られるが,その集団は容易に不規則な乱流状態に遷移してしまい,秩序性を保ちバリア形成を実現するメカニズムは十分に理解されていない.本研究では細胞集団の微細パターニング技術を開発し,基盤の幾何的形状に依存した上皮細胞の集団運動のメカニズムを明らかにする.特に細胞接着に由来する弾性的効果に着目し,乱流状態との関連を明らかにする.さらに上皮組織を模した曲面上での集団運動へと展開することで,生体組織秩序を解き明かす非平衡物理学の基盤を創出する.