研究課題/領域番号 |
23K25847
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補助金の研究課題番号 |
23H01150 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 光産業創成大学院大学 |
研究代表者 |
森 芳孝 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 准教授 (60440616)
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研究分担者 |
梶村 好宏 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (20403941)
石井 勝弘 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 教授 (30311517)
山ノ井 航平 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (30722813)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 高速点火 / 対向照射 / 高速電子 / ワイベル不安定性 / 高エネルギー密度科学 / ワイベル2流体不安定性 / 超高強度レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
高強度レーザーの照射によって実現される高密度状態は圧力 1 ペタパスカルを超え、恒星惑星中心の物性、高エネルギー粒子加速、及び慣性核融合プラズマの研究基盤である。高強度レーザーを物質に対向照射すると、従来の片側一方向照射では実現できない高エネルギー状態が期待できる。本研究では、希薄プラズマから爆縮プラズマに至る幅広い密度領域に対し、対向照射におけるプラズマ中の構造形成とエネルギー緩和の時間発展を計測し、高速電子流から背景プラズマへのエネルギー緩和過程を明らかにする。この成果は、惑星物理および慣性核融合に加え、宇宙物理で論争となっているプラズマ中の電磁流体不安定性の理解につながる。
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研究実績の概要 |
本研究では、希薄プラズマから爆縮プラズマに至る幅広い密度領域において、対向照射配位におけるプラズマ中の構造形成とエネルギー緩和の時間発展を計測することで、高速電子流から背景プラズマへのエネルギー緩和過程を明らかにすることを目的とした。レーザーは、繰り返し10HzのTWフェムト秒レーザーとシングルショットkJ級のピコ秒レーザー及びナノ秒レーザーを用いる。 本年度は、(1)フェムト秒レーザーの改修とターゲット供給システムの整備、及び(2)ピコ秒レーザーの片側照射によるレーザーと物質との相互作用の解明を行った。 (1)について、対向照射実験にむけて、レーザー発振器の励起光源を更新及びレーザーパス設計の改修を行い、出力2TW(0.1J/100fs 2beam)の対向照射システムを構築した。さらに、ターゲット供給システムとして、直径50μmのチタンワイヤを連続供給可能なターゲット供給システムを製作し、レーザー照射実験を行った。 (2)について、今年度は片側照射に戻り、高強度レーザーと薄膜との相互作用について、プリパルス制御、ガイディングコーンによるレーザー集光の特性を見極める実験を実施した。実験に際し、電子温度1keV以下の計測分解能を高めるために、新たにチタンドープ重水素化ポリスチレンフィルムを開発し実験に供した。薄膜にレーザーガイディングコーンを装着し, かつプラズマミラーを介して片側照射すると、薄膜中心加熱温度が00.5 keVから7.6 keVに大幅向上し、シミュレーション予測値の8 keVに迫る成果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
10Hz、出力TWレーザーシステム改修が予定通り進み、対向照射実験の準備が整った。さらに、シングルショットピコ秒レーザー実験において、薄膜にレーザーガイディングコーンを装着し, かつプラズマミラーを介して片側照射するとシミュレーション予測値の8 keVに迫る成果が得られるなど、レーザーと物質の相互作用を解明するために必要なレーザー制御の理解が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
レーザーと物質の相互作用解明に向けて、ピコ秒レーザー実験で得られた加熱温度7.6keVのメカニズムを解明する。温度計測の精度を高めるため、TiとCuをドープした薄膜を新たに整備する。計測器として、X線時間分光ストリークを整備し、高エネルギー密度状態の時間発展をX 線時間分光法 (時間分解能 1 ピコ秒、計測時間 50 ピコ秒)で診断し、状態の時間変化を実験的に抑える。X線時間分光ストリークの計測器開発のために、初年度整備した10HzTWフェムト秒レーザーを活用する。 対向照射については、初年度整備した10HzTWフェムト秒レーザーを活用し、ガスジェット、及びワイヤターゲットを用いた実験に着手する。
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