研究課題/領域番号 |
23K25864
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補助金の研究課題番号 |
23H01167 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中務 孝 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (40333786)
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研究分担者 |
関澤 一之 東京工業大学, 理学院, 准教授 (00820854)
飯田 圭 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90432814)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 中性子星 / 非一様核物質 / 超流動 / 密度汎関数理論 / アルファ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
現代の原子核物理と物性物理の知見を動員し、パルサー・グリッチの起源・機構を解明する。グリッチとは、中性子星(パルサー)からの規則正しいパルス電波の発信周期が突如短くなる現象であり、これまで200個程のパルサーにおいて観測されている現象であるが、その発現場所・機構が未だ謎である。計算科学的方法を用いて遂行し、中性子星物質の特徴的物性、特に中性子超流体とその中を通る量子渦の性質、自由中性子の可動性などを解明する。有限核から非一様・一様核物質までを一貫した理論手法で記述することで、現存する核データ、及び中性子過剰核に関する最新の実験データとの整合性を保証した数値計算を実行し、グリッチの謎に迫る。
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研究実績の概要 |
密度汎関数理論に基づく原子核・核物質の微視的記述の精度を向上させるため、通常密度だ けでなく対密度(異常密度)を加えたハートレー・フォック・ボゴリューボフ(HFB)理論に基づく周期系の計算に関する様々な方法の検討を行った。まずはスラブ相と呼ばれる1次元系における研究において、今後予想される問題点の洗い出しなどを中心にコード開発と並行して検討を進めた。自由中性子の稼働度の計算を行い、超流動を無視した計算と比較して大きな変化がないという結果を得ている。今後さらに詳細な計算を実施する予定である。本研究の目的である中性子星物質の研究では、核子(陽子・中性子)及び電子による非一様超流体を対象としており、インナー・ クラストとコアの境界領域に出現すると予想されるエキゾチックなパスタ相など、未知な構造にも対応するため、対称性の制限を排した非制限の量子力学的計算を目指している。現状の行列対角化を利用した方法をそのまま適用することは、現実的に不可能な計算量になると考えられ、この問題に関しては、フェルミ演算子展開法のHFB理論への応用に関する検討を開始した。理論上可能であることが確かめられ、現在コード開発と実際に数値的な問題が発生しないかとうか調べている。 また、地上の加速器実験で様々なデータが得られている有限核(超重核や中性子過剰核などの不安定核を含む)を対象にした計算を実行から、新たな理論手法の開発を目指した研究も進めている。特に、非一様核物質中のアルファ粒子生成をターゲットに、局所アルファ強度関数を定義し、その計算手法を確立させた。実施にSnアイソトープの原子核に対して、アルファ・ノックアウト反応の実験データとの比較を行い、定性的に実験との合致を見ることに成功した。エネルギー密度汎関数の改善や新しい計算手法の開発につながると期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、非一様核物質の研究における理論手法の開発、適用可能性の検討などを中心的に実施する予定であったが、その目的はほぼ達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の検討結果に基づいて、理論手法のさらなる詳細について詰めるとともに、大規模並列数値計算に向けたコード開発に着手する。国内外のスーパーコンピュータがGPGPUが主流になりつつあることを踏まえたコード開発も進める予定である。 また、実験データからエネルギー汎関数を改良することと並行して、少数系や仮想系などの厳密な理論計算の結果を使った改良方法についても試行する予定である。実験データからのインプットだけでははっきりしない依存性を、別の理論から制限をかけることを検討したい。
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