研究課題/領域番号 |
23K25870
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補助金の研究課題番号 |
23H01174 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤松 幸尚 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (30616363)
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研究分担者 |
本郷 優 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10779656)
遠藤 晋平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30824453)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 量子開放系 / 冷却原子気体 / ポーラロン / クォーク・グルーオン・プラズマ / 複素ポテンシャル / QCD臨界点 / 重クォーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Quark-Gluon Plasma(QGP)中の重クォークや冷却原子気体中のポーラロンといった、不純物粒子の量子ダイナミクスを研究する。少数の不純物粒子のダイナミクスを特徴づける物理量が、どのように物質相の性質によって普遍的に決定されるか?また、多数の不純物粒子がある場合に、少数系の場合と質的に異なる集団的な振る舞いや粒子相関はあるか? これらの問いはQGP中の重クォークの物理に動機付けられているが、冷却原子気体においても共有される問いである。そこで、冷却原子気体では理論解析を行うのみならず、その高い制御性を生かして実験系の提案も目指す。
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研究実績の概要 |
冷却原子気体中の不純物であるポーラロンは量子開放系の典型的な例である。、クォーク・グルーオン・プラズマ中の重クォークも量子開放系として取り扱われてきたが、本研究課題ではこれを冷却原子気体に応用し、ポーラロンのダイナミクス、特に少数のポーラロンの相互作用を中心に開拓する。 本年度は、冷却原子気体におけるポーラロン間の複素ポテンシャルを計算した。低温の超流動相におけるポテンシャルと自由フェルミ気体におけるポテンシャルを計算した。これらに共通する性質として、ポテンシャル虚部に長距離での冪則を発見した。さらに、クォーク・グルーオン・プラズマにおけるポテンシャル虚部でも同様の冪則を確認した。これらの冪則の物理的背景は、ポーラロンと媒質粒子の2体散乱過程であることを解明した。理論計算で確かめた冪則を冷却原子気体の実験で検証する方法も提案した。これらの結果を論文としてまとめた。 さらに、QCD臨界点における重クォークの拡散係数の解析も行った。重クォークとカイラル凝縮の結合をカイラル対称性から考察し、動的臨界指数を用いて重クォークの拡散係数の臨界指数を求めた。QCD臨界点の動的モデルであるモデルHの場合には拡散係数に特異性はなかったが、モデルBの場合には特異性があることが分かった。このため、相対論的重イオン衝突において重クォークの集団的な流れが臨界点近くで強くなることは期待されない。一方、モデルBが実現されている物性系では拡散係数の特異性は十分に検証可能である。これらの結果を論文としてまとめて出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ポーラロンや重クォークについての計算を進めることができた。特に、ポテンシャル虚部の長距離での普遍的な冪則の発見は、物理的にも興味深い。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進め方としては、超流動相で短距離の振舞いにも着目してより広範囲でポテンシャルを定める必要がある。そのデータを用いた数値解析を開始する。また、超流動転移付近でのポーラロンのポテンシャルや拡散係数の解析を行う。
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