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ダークマター検出のための基礎データ用のp+4He反陽子生成断面積の測定

研究課題

研究課題/領域番号 23K25875
補助金の研究課題番号 23H01179 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
研究機関山形大学

研究代表者

堂下 典弘  山形大学, 理学部, 助教 (90451658)

研究分担者 鈴木 肇  中部大学, AI数理データサイエンスセンター, 教授 (20260044)
岩田 高広  山形大学, 理学部, 教授 (70211761)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
キーワード暗黒物質 / CERN-AMBER / 反陽子生成断面積 / ダークマター / 液体ヘリウム標的 / 液体水素標的 / AMBER
研究開始時の研究の概要

ダークマター粒子との関連を疑われる宇宙線反陽子スペクトルで興味深い構造が見いだされている。しかし、通常の原子核反応の反陽子生成断 面積の不定性が大きい。p+4He反応での反陽子生成断面積測定を行い、反陽子フラックスの不定性を低減させる基礎データを得てダークマター 粒子の対消滅のプロセスに関わる可能性のある宇宙線反陽子スペクトルを理解し、新粒子発見につなげる。

研究実績の概要

現在、ダークマター粒子の対消滅により生成される反陽子を宇宙線の成分として調べる研究が進んでいる。国際宇宙ステーションに設置されたAMS-II検出器で観測された一次宇宙線の反陽子フラックスのスペクトラムで予想よりも超過しているエネルギー領域がある。これが、ダークマター由来なのか他の原因なのか?を調べる必要がある。ダークマター起源ではない反陽子は一次宇宙線と星間物質との相互作用によって生成され、特に陽子-ヘリウム衝突での反陽子生成に関する測定データが不十分である。そのため我々CERN-AMBER実験グループでは、2023年度に超流動液体ヘリウム標的と最も興味のあるエネルギー領域に相当する60-250GeVの陽子ビームを用いて、反陽子生成断面積のデータ収集を行った。2023年の実験について2024年3月の日本物理学会で報告を行なった。

その後、データ解析を始めて2024年7月に最初の実験成果の発表を行なった。それについてCERNの記事としてリリースされた。2024年度では2023年に取得したデータの系統誤差を評価するために同じ標的長の液体水素標的を製作し、陽子-陽子散乱での反陽子生成断面積の測定を行った。また、陽子-陽子での反陽子生成と反中性子生成に対する断面積の相違(アイソスピン非対称度)を調べるために水素の代わりに液体重水素標的を用いた測定も行なった。この測定は、研究計画当初には想定されていなかったが、興味深いデータ収集も取得でき、順調に研究が進んでいる。

現在、反陽子を同定するRICHのキャリブレーション、飛跡検出器群のアライメントの解析などを行なっており、その後、液体ヘリウム標的でのデータ解析を最優先に進めていく。そして、液体水素標的と液体重水素標的の解析も続けて行う。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

ダークマター粒子の対消滅により生成される反陽子を宇宙線の成分として調べる研究を進める上で、原子核反応由来の反陽子生成の散乱断面積測定が重要である。AMBER実験グループでは、特に測定データが不十分である陽子-ヘリウム衝突での反陽子生成に反応に注目し、AMBER実験の前身であるCOMPASS実験で使用した偏極個体標的システムの3He-4He希釈冷凍機を改造して1.0Kの超流動液体ヘリウム標的を構築し、陽子ビームとの散乱実験を2023年にCERNで行なった。実験に使用した陽子のエネルギーは60, 80, 100, 160, 190, 250GeV をの6つを選択して2ヶ月間の実験を行なった。この陽子ビームのエネルギーにより、AMS-II検出器で観測された一次宇宙線の反陽子フラックスのスペクトラムで予想よりも超過しているエネルギー領域を調べることができる。この実験のデータ収集に関して2024年3月の日本物理学会で報告を行なった(20aV1-10)。

陽子-ヘリウム散乱のデータの系統誤差を評価する上で、様々な実験グループで行われている陽子-陽子散乱過程を利用するのは理にかなっている。そのため、液体ヘリウム標的と同じ140cm長の液体水素標的を2023年のデータ収集後に日本グループがCERNの協力のもと製作した。COMPASS実験で2017年に使用した2.5m長の液体水素標的システムを改良して製作を進めた。そして、陽子-陽子散乱での反陽子生成断面積の測定を行った。また、陽子-陽子での反陽子生成と反中性子生成に対する断面積の相違(アイソスピン非対称度)を調べるために、水素の代わりに重水素を液化して陽子-中性子散乱での反陽子生成断面積抽出のための測定も行った。この測定は、当初想定していなかった測定である。

今後の研究の推進方策

測定後にデータ解析を始めており、反陽子を同定するRICHのキャリブレーション、飛跡検出器群のアライメントの解析などに時間をかけている。2024年7月に最初の実験成果の発表を行なった。それについてCERNにおいて記事としてリリースされた。
https://home.cern/news/news/physics/amber-releases-its-first-results

今後の研究の推進方策は、断面積測定において重要な陽子ビームフラックス、液体ヘリウム標的の物質量の見積もりを進める。CERN-AMBERが使用しているビームラインは、SPSからの400GeVの陽子を用いた二次ビームラインであるためパイ粒子やK粒子が混在している。陽子を同定するためにビームラインにチェレンコフ光を利用したCEDAR検出器を設置しており、CERNと共同で解析を進める。それらの解析とRICH、飛跡検出器群の情報を使い反陽子生成断面積を決定し、一次宇宙線の反陽子フラックスのスペクトルが示唆するダークマター由来の可能性を調べる。液体水素標的での解析も同様に行い、液体ヘリウム標的での実験の系統誤差の見積もりに利用する。液体重水素標的での解析は、陽子-陽子での反陽子生成と反中性子生成に対する断面積の相違(アイソスピン非対称度)を調べることができ、アイソスピン非対称度の有無、度合いなどを調べる。

報告書

(2件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (12件) 学会発表 (2件) 備考 (3件)

  • [国際共同研究] CERN(スイス)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [国際共同研究] University of Torino/University of Trento/University of Trieste(イタリア)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Technical University of Munich/Univsrsity of Mainz/University of Bonn(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [国際共同研究] LIP/University of Aveiro(ポルトガル)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Charles University/Czech Technical University in Prague(チェコ)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [国際共同研究]

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [国際共同研究] CERN(スイス)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] University of Torino/University of Trento/University of Trieste(イタリア)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Technical University of Munich/Univsrsity of Mainz/University of Bonn(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] LIP/University of Aveiro(ポルトガル)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Charles University/Czech Technical University in Prague(チェコ)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究]

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] CERN-AMBERての反陽子生成断面積測定の状況2024

    • 著者名/発表者名
      堂下 典弘
    • 学会等名
      日本物理学会 2024年春季大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] CERN-AMBERでの反陽子生成断面積測定の状況2024

    • 著者名/発表者名
      堂下 典弘
    • 学会等名
      日本物理学会 2024年春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] CERN-AMBERホームページ

    • URL

      https://amber.web.cern.ch/

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書 2023 実績報告書
  • [備考] AMBER releases its first results

    • URL

      https://home.cern/news/news/physics/amber-releases-its-first-results

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書 2023 実績報告書
  • [備考] First measurement of antproton crosssection

    • URL

      https://pos.sissa.it/476/757

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書 2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2025-12-26  

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