| 研究課題/領域番号 |
23K25882
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| 補助金の研究課題番号 |
23H01186 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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| 研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
水野 恒史 広島大学, 宇宙科学センター, 准教授 (20403579)
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| 研究分担者 |
大野 寛 東北文教大学, 人間科学部, 教授 (70320611)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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| キーワード | パルサー風星雲 / X線偏光 / GeVガンマ線 / 粒子加速 / 粒子伝播 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は2つの柱 (1)世界初のX線偏光撮像を実現したIXPE衛星を用いて若いパルサー風星雲(PWN)を観測し,偏光から星雲内の磁場の空間構造(向き・乱流度)を求める (2)ガンマ線全天観測を行うFermi衛星を用い,中年齢のPWNに対し「GeVハローの探査」を行い,大きさ・明るさからハロー内の粒子伝搬を調べる からなる。(1)は「かに星雲」「MSH15-52」および数個のパルサー星雲を扱い,若いPWNにおける磁場構造の発達と粒子の加速・伝搬を統一的に解釈する。(2)は銀河面放射モデルを改良してGeVハローの無バイアス探査を行い,宇宙線電子・陽電子に対するパルサー風星雲の寄与を定量的に評価する。
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| 研究実績の概要 |
本研究はIXPE衛星およびFermi衛星データを用いた2つのテーマ(柱)からなる。 2024年度は第一の柱(IXPE衛星を用いたX線偏光観測による若いパルサー風星雲(PWN)の探査)に関して,再観測である「かに星雲」と新たに観測した「3C58」「G21.5」の解析をIXPEチームメンバと協力して進めた。「かに星雲」は偏光度(磁場整列度)および偏光方位角(磁場の向き)の空間分布の詳細解析を,チーム内でリードして進め,ジェットの偏光を初めて検出するとともにX線トーラス内の偏光度とスペクトルのべき指数の間に相関を見出し,第二著者として論文化した。「3C58」「G21.5」はコンパクトなシステムでありIXPEの空間分解能では解析が難しいが,共に有意な偏光を検出し,また磁場がX線トーラス方向に沿っていることを明らかにした。これらは論文として準備中・投稿中である。また銀河中心領域でパルサー風星雲と考えられるフィラメント状の偏光を発見し論文として出版した。 第二の柱(Fermi衛星を用いたGeVガンマ線によるPWNハローの探査)では,昨年に引き続きバックグラウンドとなる銀河面放射モデルの改良のために高銀緯分子雲領域の詳細解析を行った。21cm線のライン幅を用いて精度を大きく改善することに成功し,太陽系近傍の星間ガス・銀河宇宙線を定量化して国内外の会議で発表すると共に,主著者として論文にまとめている(2025年4月に投稿済み)。合わせて現状の銀河面放射線モデルを用いた広がった天体(PWNハロー候補)の探査をFermiチームとして行い,論文を投稿中である。関連して超新星残骸G298.6-0.0の詳細解析も行い,共著として論文を出版した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
第一の柱(IXPE衛星を用いたX線偏光観測による若いパルサー風星雲(PWN)の探査)に関しては,「かに星雲」「3C58」「G21.5」という3つのターゲットの解析を進め,銀河中心方向のPWN由来フィラメントもあわせて,論文を出版・投稿中である。とくに「かに星雲」については,スペクトル・偏光の空間分布の詳細解析を行い,ジェットの磁場構造およびX線トーラスにおける偏光度・スペクトル指数の間の相関を初めて明らかにし,第二著者として論文を出版することができた。 第二の柱(Fermi衛星を用いたGeVガンマ線によるPWNハローの探査)では,高銀緯分子雲領域の解析を通して銀河面放射モデルの精度を大きく改善するとともに,近傍の星間ガス・銀河宇宙線について新たな知見を得て,論文(投稿中)としてまとめることができた。銀河面上の広がった天体の探査でも論文を2編出版・投稿しており,概ね順調に進んでいると判断できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究はIXPE衛星およびFermi衛星データを用いた2つのテーマ(柱)からなる。 第一の柱(IXPE衛星を用いたX線偏光観測による若いパルサー風星雲(PWN)の探査)では,「かに星雲」の第二チーム論文を通して,West Bayと呼ばれる構造がパルサー風星雲の磁場構造に影響を与えている強い示唆が得られており,これを詳細に解析し論文化する。IXPEの空間分解能を考慮した解析が鍵となる。そのほかのターゲットも増えてきており,複数のPWNの結果を踏まえた統一的な議論を行う。データ解析は水野と大学院生が主に行い,議論は大野他がサポートする。 第二の柱(Fermi衛星を用いたGeVガンマ線によるPWNハローの探査)では,近傍分子雲領域の解析に21cm線の輝線幅を用いて良好な成果がえられた。この手法を銀河面に適用し天の川銀河スケールでの星間ガスと銀河宇宙線の定量化と,PWNハローの高感度探査を行う。
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