研究課題/領域番号 |
23K25924
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補助金の研究課題番号 |
23H01228 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 文衛 東京工業大学, 理学院, 教授 (40397823)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 太陽系外惑星 / 系外惑星 / 視線速度 / 巨星 / 銀河系 / 厚い円盤 / 高分散分光器 / アルファ元素 / 低金属量星 / 巨大惑星 / 高分散分光 |
研究開始時の研究の概要 |
恒星の重元素量(金属量)と惑星保持率の相関は惑星形成メカニズムを解明する上で重要な鍵となるが、近年、巨星と主系列星の金属量-巨大惑星保持率関係が低金属量星で不一致を来たすことが分かり、低金属量星における惑星形成メカニズムの違いや、惑星の銀河系内での形成場所(厚い円盤or薄い円盤)による違いが示唆されている。本研究では、低金属量巨星を対象とし、岡山188cm望遠鏡とせいめい3.8m望遠鏡を使って3年間に渡る集中的な惑星探索を実施する。同恒星の周りの巨大惑星の存在頻度とその金属量依存性を高い信頼度で導出し、銀河系両円盤における巨大惑星頻度の相違の有無と低金属量環境下での巨大惑星形成過程を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、銀河系の厚い円盤と薄い円盤の両方に存在する「低金属量の太陽質量巨星」を対象とし、岡山188cm望遠鏡とせいめい3.8m望遠鏡を使って3年間に渡る集中的な惑星探索を実施する。これにより、同恒星の周りの巨大惑星の存在頻度とその金属量依存性を高い信頼度で導出し、両円盤における巨大惑星頻度の相違の有無と低金属量環境下での巨大惑星形成過程を解明することを目的としている。そのために本研究では、(1)機械学習を用いた事前のサンプル選定、(2)岡山188cm望遠鏡とせいめい3.8m望遠鏡を用いた系外惑星探索、という2本の研究の柱を立てて研究を遂行する。令和5年度は、(1)サンプル選定と金属量推定、および(2)せいめい望遠鏡を用いた系外惑星探索を実施した。 (1)については、先行研究によって、測光星震学観測から質量がよく決定された厚い円盤の巨星があることが分かったため、この中からせいめい望遠鏡での観測に適した巨星を100個選定した。これらに対してせいめい望遠鏡と高分散分光器GAOES-RVを用いてスペクトルを取得し、金属量の測定を行った結果、先行研究と概ね良い一致を示すことが分かった。そのため、これらを惑星探索のサンプルとして採用することとした。 (2)については、188cm望遠鏡が使用不可の状態であったため、せいめい望遠鏡での観測を実施した。令和5年度は約40夜の観測時間を獲得し、(1)で定めたサンプルに対して惑星探索観測を進めた結果、100日から200日程度の周期的な視線速度変動を示す天体を5個程度同定した。これらは惑星をもっている可能性があるため、今後重点的に観測を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観測時間を継続的に獲得することができており、研究開始から1年以内に早くも複数の惑星候補を発見することができた。現在のペースで今後も継続して観測を進めることができれば、当初の研究目的を達成することができる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、(1)機械学習を用いた事前のサンプル選定、(2)岡山188cm望遠鏡とせいめい3.8m望遠鏡を用いた系外惑星探索、という2本の研究の柱を立てて研究を遂行している。(1)のサンプル選定は令和5年度で完了したため、令和6年度はこれらのサンプルに対してα元素を含むより詳細な元素組成解析を実施する。(2)については、これまでに同定した惑星を持つ候補天体を重点的に観測しつつ、サンプルとした定めた100天体について視線速度モニター観測を着実に進め、データの蓄積に努める。
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