研究課題/領域番号 |
23K25965
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補助金の研究課題番号 |
23H01269 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石川 晃 東京工業大学, 理学院, 准教授 (20524507)
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研究分担者 |
秋澤 紀克 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (40750013)
小木曽 哲 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60359172)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | かんらん岩 / マントル / オスミウム同位体 / 強親鉄性元素 / 太古代-原生代境界 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、地球史上最大のターニングポイントと称される太古代-原生代境界に生じた固体地球変動の実態を理解するため、太古代ー原生代マントル物質の化学組成/同位体組成分析を系統的に実施する。特に、オスミウム同位体比から得られる年代情報と親鉄元素存在度の相関関係に着目し、太古代から原生代にかけて地球表層だけでなく地球内部にも大規模な変動があったのか、またそのような痕跡がマントルの化学組成進化として記録されているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、地球史上最大のターニングポイントと称される太古代-原生代境界に生じた固体地球変動の実態を理解するため、太古代ー原生代マントル物質の化学組成/同位体組成分析を系統的に実施する。 本年度は、各種元素濃度の定量分析手法を最適化することに着手した。その結果、オスミウム同位体分析に利用する分取試料から、強親鉄性元素、揮発性親銅元素、主要元素の一部を同時に得る分析プロトコルを確立した。また確立した手法を用いて(1)南アフリカ、カープバールクラトン内部のダイヤモンド鉱山に由来するかんらん岩捕獲岩、(2)スコットランド北部、 ルイス片麻岩体に含まれる超苦鉄質岩の測定を進めた。オスミウム同位体測定の結果によると、 27~28 億年前の枯渇年代を示す試料が大半を占めており、太古代後期を代表するマントル試料である可能性が示された。しかし、強親鉄性元素や揮発性親銅元素濃度は通常の融解パターンに予測されるよりもバリエーションが大きいことも判明した。そのため現在、岩石組織(鉱物組み合わせ)や主要元素組成との相関関係を精査することで、後の変質作用の影響について検討を行っている。 一方、原生代かんらん岩試料の解析に関しては本格的な着手に至っていないが、予察的分析からノルウェー産かんらん岩試料が有用であることが判明した。異なる酸素分圧条件下での強親鉄元素分配実験に関しては、ピストンシリンダー型高圧発生装置を用いた3カプセル法による超苦鉄質岩の高温高圧融解予備実験を行った結果、サンプル部分の酸素分圧をコントロールできることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
太古代かんらん岩試料の解析については予定通り順調に進行している。原生代かんらん岩試料の解析に関しては、予察的に行ったノルウェー産試料のオスミウム同位体分析から有用性が示されたため今後試料の拡充を行う。強親鉄元素分配実験に関しては、異なる酸素分圧バッファーを用いた複数回の予備実験を行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は原生代の試料の拡充を目的に、南アフリカ・カープバールクラトン外縁部のキンバーライトおよびノルウェー西片麻岩地域の野外調査を実施する。岩石試料採集については南アフリカの鉱山関係者や地質調査所と繋がりが深い海外研究協力者Sebastian Tappe教授 (元南アフリカ・ヨハネスブルグ大,現ノルウェー・北極圏大)の協力の下で実施する予定である。また、異なる酸素分圧条件下におけるマントル融解時の強親鉄性元素の挙動の理解を目的としたかんらん岩標準試料の高圧融解実験を本格的に開始し、液相/固相間の分配係数を効果的に求める分析プロトコルを確立する。
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