研究課題/領域番号 |
23K25988
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補助金の研究課題番号 |
23H01292 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
祖山 均 東北大学, 工学研究科, 教授 (90211995)
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研究分担者 |
伊賀 由佳 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (50375119)
久慈 千栄子 東北大学, 工学研究科, 助教 (20839287)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | キャビテーション / パルスレーザ / レーザアブレージョン / サブクール沸騰 / 3D-Metal / 疲労特性 / 表面粗さ |
研究開始時の研究の概要 |
水中(液相)でパルスレーザを金属表面(固相)に照射するとレーザアブレージョンLA(気相)が発生し,LA後にキャビテーション的な挙動を示す気泡(レーザキャビテーションLC; 気相)が発生・発達・崩壊し,衝撃力を発生する。本研究では,この固気液混相現象を,パルスレーザのエネルギーの時間的・空間的凝縮に活用して,LCによる衝撃力を用いた機械的表面改質法を構築する。さらに,金属製3次元積層造形材(3D-Metal)の疲労強度がバルク材の半分程度で実用化の障壁になっていることを踏まえ,本機械的表面改質法による3D-Metalの疲労強度向上を実証し,3D-Metalのための表面力学設計を構築する。
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研究実績の概要 |
固気液混相現象を活用したパルスレーザのエネルギーの時間的・空間的凝縮として,ファイバレーザを購入して、パルスレーザのエネルギーをレーザキャビテーションにより時間的・空間的に凝縮するレーザシステムを試作した。本システムを用いて、水中に設置した金属製ターゲットにパルスレーザを照射して、発生したレーザアブレージョンおよびレーザアブレージョンに発生・崩壊するレーザキャビテーションの衝撃エネルギーを、水中を伝播する衝撃圧力をハイドロホンにより計測して評価した。レーザアブレージョン発生からレーザキャビテーション圧潰時に至る、レーザキャビテーションの発生・崩壊時間から、本システムで発生するレーザキャビテーションの最大気泡径は約3mm程度であることを確認し、その挙動を高速度ビデオカメラで観察した。 試作したレーザシステムで発生させたレーザアブレージョンならびにレーザキャビテーションによる機械的表面改質の可能性を評価するために、ステンレス板やアルミニウム合金板などを処理してその反り量(アークハイト)を計測した。その際、レーザエネルギーの集中度を変化させるために、凸レンズから試験片までの距離を変化させて処理した。その結果、パルスレーザを集中させた場合も、直径1mm程度に拡散させた場合も、加工面を凹面に反ることが判明した。レーザを集中させた場合には明らかに表面が溶融している様相が確認できるが、拡散させた場合には溶融の影響は視覚的には確認できないものの、熱的影響が否めないと判断できる。 ファイバレーザで金属製3次元積層造形材(3D-Metal)の表面を溶融させて平滑化した場合には、引張残留応力により疲労特性は悪化するものの、ファイバレーザで平滑化した後にレーザキャビテーションで圧縮残留応力を導入した場合には、レーザキャビテーションのみで処理した場合よりも疲労特性を向上できることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
購入したファイバレーザを組み込んだレーザシステムを試作して、金属製積層造形材(3D-Metal)を処理して、従来の機械的表面改質法よりも、3D-Metalの疲労特性を向上できることを実証できた。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書の研究計画に記した項目について,令和5年度は順調に実施できたので,令和6年度は,引き続き,交付申請書の研究実施計画に記した項目について研究を推進する。
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