研究課題/領域番号 |
23K26007
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補助金の研究課題番号 |
23H01312 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松坂 壮太 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30334171)
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研究分担者 |
糸井 貴臣 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333670)
比田井 洋史 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313334)
岸 哲生 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (90453828)
伊東 翔 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任助教 (70743441)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 固体イオン交換 / ガラス / 銀 / ナノワイヤ / 析出 / イオン交換 / 析出物 / 内部配線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ガラス中での金属イオンの移動現象を利用して,ガラス内部に直径数百nm程度の針状/棒状金属結晶を析出させる手法に関するものである.現時点では,その析出形態(形状や組織)を制御する手法は確立されておらず,本手法を実用的な加工技術として昇華させるためには,ガラス中での金属の析出・成長現象を解明し,学理に立脚した加工プロセスを設計・構築することが必要である.そこで本研究では,析出物周辺の「場」がその成長に及ぼす影響を実験的・理論的に明らかにし,ガラス内部の所望の位置・形状に金属ナノ析出物を配置可能な手法を開発する.
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研究実績の概要 |
本研究は,ガラス中での金属イオンの移動現象を利用して,ガラス内部に直径数百nm程度の針状/棒状金属結晶を析出させる手法に関するものである.本手法で創製されるガラス/金属ナノ複合材料は,絶縁性の高いガラスに導電性の高い金属析出物が埋設されるという新奇かつ特異な構造を有し,「ガラス内極微細配線技術」等の革新的技術への応用が期待される.しかし現時点では,その析出形態(形状や組織)を制御する手法は確立されておらず,本手法を実用的な加工技術として昇華させるためには,ガラス中での金属の析出・成長現象を解明し,学理に立脚した加工プロセスを設計・構築することが必要不可欠である.そこで本研究では,析出物周辺の「場」(電場,温度場,濃度場,応力場等)がその成長に及ぼす影響を実験的・理論的に明らかにした上で,ガラス内部の所望の位置・形状に金属ナノ析出物を形成・配置し,極微細配線や造形技術として確立することを目的とした.この目標を達成するため,令和5年度は添加・析出金属として銀を選定し,主として以下の3点に関する研究開発を実施した. 1) レーザ照射による局所加熱を実施し析出物の自在な誘導を試みた.その際,照射位置を変化させることでガラス内の温度分布を変化させ,析出形状に対する影響を検討した. 2) 事前に線状や面状亀裂を形成したガラスに対してイオン添加/析出を行い,亀裂内部への析出物の誘導を試みた. 3) レーザ照射による温度分布の変化とそれに伴うイオンの移動度の変化を連成可能なイオン拡散解析プログラムを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
析出物を誘導するための熱源の選定(最終的にUVレーザ光源を選択)に手間取ったものの,照射点に追随して析出物を成長させることが可能となっている.現状では加工光学系の都合上,照射点でのスポット径が0.1mm程度であり,析出物もそれ以上の太さとなっているが,さらに集光すればより微細な析出物の形成が可能となると考えている.また,面状/線状亀裂への析出物の誘導に成功したほか,ガラス表面と内部の応力状態の違いにより,析出しやすさに差異が生じることを明らかにしている.一方,温度と拡散の連成解析を実施し,析出物近傍でのイオンの挙動の把握が可能となった.ただし,解析条件に一致する実験環境がまだ準備できておらず,実験との比較・検証に至っていないのが現状である.以上のことから,概ね当初の研究計画に沿って進捗していると考え,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果をふまえて,今後は以下の方針に沿って研究を進める. まず,前年度までに構築したレーザ援用イオン交換装置上で,析出物およびその周辺へのレーザ照射や電極配置を最適化し,析出物の自在な誘導を図る.また,微細孔/亀裂の有無,イオン添加領域近傍の応力場が析出位置や形状に及ぼす影響を明らかにする.同時に,任意形状の孔・亀裂形成手法を開発し,析出物形状の制御を試みる.さらに,電場と温度場を考慮した数値解析結果と析出物周辺の元素分析結果の比較により,イオンの拡散挙動に対する場の影響を明らかにする.得られた結果を析出条件の選定にフィードバックし,数ミクロン~サブミクロンの微細析出物の形成を目指す.一方,銀とナトリウムイオンの交互添加によりイオン添加領域を多層化し,ガラス内部に形成した銀層間を接続可能な3次元配線を製作する.最終的には,イオンの拡散挙動や析出物形状の支配要因の解析結果,およびこれまでに得られた実験結果を統合し,ガラス中でのイオンの挙動に対する「場」の影響を明確化するとともに,マクロ/ミクロ視点で析出物形状を予測可能な手法を開発する.
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