研究課題/領域番号 |
23K26015
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補助金の研究課題番号 |
23H01320 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
村田 順二 立命館大学, 理工学部, 教授 (70531474)
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研究分担者 |
滝沢 優 立命館大学, 理工学部, 教授 (30516357)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 研磨加工 / 電解酸化 / 炭化ケイ素 / パワー半導体 / 砥粒 / 固体電解質 / 電気化学機械研磨 / SiC / 陽極酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
高性能パワーデバイスへの応用が進む単結晶 SiC の高能率な研磨法として、電解酸化を援用した電気化学機械研磨 (ECMP) が期待されている。研究代表者が提唱する薬液による環境負荷が全くない新たな環境調和型ECMPについて、そのメカニズム解明とそれに基づく加工技術体系の構築を行う。これにより60分以内の加工時間でダメージフリーかつサブnmの粗さを有するSiC表面を目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究では薬液フリー環境調和型電気化学機械研磨(Electrochemical mechanical polishing: ECMP)のメカニズム解明とそれに基づく加工技術体系の構築を目的とする.2023年度において,以下の研究成果が得られた. (1) 固体電解質の探索:本研究でこれまで使用している固体電解質はパーフルオロスルホン酸であった.これは燃料電池や水電解などに多用されるものであるが,C-F結合からなるパーフルオロ加工物を主鎖とするため,環境への影響が懸念されている.また,コストも高く,他の炭化水素系固体電解質の利用が求められている.そこで,ポリスチレンスルホン酸(PSS)からなる固体電解質を不織布基材に担持させたイオン伝導性研磨パッドの開発を実施した.PSSは水に可溶であるため,PVAと共重合しさらにグルタルアルデヒドによって架橋することで不溶化処理を行った.開発した固体電解質によりSiCをドライ環境で電解酸化できることを確認した. (2) 4インチSiCウェハの高効率加工:これまで2インチのSiCウェハの加工に留まっていたが,上記のPSSベースのパッドは安価で大口径化も可能であるため,4インチウェハの加工を行った.研磨レートはファラデー則に従い,電解電流とともに増加することが確認された.これにより,最大で15 μm/hの研磨レートが得られた.また,15 minの短時間の研磨により,表面粗さがウェハ全面にわたり20 nm Raから0.8 nm Raまで改善されることを明らかにした.高電解電流条件では,研磨圧力や工具回転速度が高くなるにつれ,研磨レートも向上する.パッドに砥粒を担持される固定砥粒方式よりも,遊離砥粒方式のECMPの方が作用砥粒数が大きく,優れた酸化膜除去速度を示すことが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4インチウェハにおいて,従来CMP技術の10倍程度となる研磨レートが確認され,ウェハの大口径化にも対応可能であることを明らかにした.また,環境負荷や高いコストが懸念されるパーフルオロスルホン酸に変わる固体電解質を見出すことができ,研究は順調に進呈していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は主に以下の研究に取り組む. (1) 表面粗さのさらなる改善:現状,表面粗さは0.6~0.8 nm Sa程度となっており,デバイスウェハとして要求される0.3 nm Raの表面粗さには至っていない.このため,現在用いている砥粒よりも微細な砥粒を用いた仕上げ加工を行う.段階的に加工条件や砥粒を変更することで,トータルの加工時間を維持したまま所望の表面粗さを得る. (2) スライス後表面の加工:インゴットから切り出されたウェハ表面のダメージを高速に除去するプロセスを開発する.平坦度を悪化させずにECMPによってダメージを除去するため,硬質基材に対して固体電解質を含浸させたパッドやホイールを検討する.
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