研究課題/領域番号 |
23K26037
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補助金の研究課題番号 |
23H01342 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40345947)
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研究分担者 |
武藤 真和 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30840615)
森西 洋平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40222351)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 乱流境界層 / 最大抵抗低減 / 大規模流れ構造 / 界面活性剤 / 粘弾性流体 |
研究開始時の研究の概要 |
粘弾性流体である界面活性剤水溶液を壁面注入した平板上乱流境界層流れにおいて、大規模流れ構造の全体像を捉えるための広範囲PIV計測と大規模流れ構造内部の異なる位置での局所流動摩擦を同時計測可能な高拡大PIV計測とを同期可能なシステムを構築し、大規模流れ構造と局所流動摩擦との関係性を明らかにする。また、平板上の突起構造により大規模流れ構造を破壊することで、MDR流れの生成・維持機構の解明を図る。さらに、界面活性剤水溶液のレオロジー特性ならびに大規模流れ構造の破壊装置を再現した直接数値シミュレーションを実行する。
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研究実績の概要 |
本研究では、流体工学分野において未解明で特異な流動現象の一つである「粘弾性流体の最大抵抗低減流れ(MDR流れ)における大規模流れ構造の役割と普遍性」を実験と計算の両面から解明することである。そのため、粘弾性流体である界面活性剤水溶液および高分子水溶液を壁面注入した平板上乱流境界層流れにおいて、大規模流れ構造の全体像を捉えるための広範囲PIV計測と大規模流れ構造内部の異なる位置での局所流動摩擦を同時計測可能な高拡大PIV計測とを同期可能なシステムを構築し、大規模流れ構造と局所流動摩擦との関係性を明らかにする。また、平板上の突起構造(角柱)により大規模流れ構造を破壊することで、MDR流れの生成・維持機構の解明を図る。さらに、粘弾性流体のレオロジー特性ならびに大規模流れ構造の破壊装置(角柱)を再現した直接数値シミュレーションを実行する。 2023年度は、大規模流れ構造の全体像を含む速度データの取得には、現有する複数台のCCDカメラと新規に導入した高解像度のCCDカメラを用いた広範囲PIV計測と高拡大PIV計測の同時計測を行うためのシステムを構築し,その有効性を確認した。また、平板上に角柱を設置可能な機構を構築し,流れ場全体の把握を目的として,角柱周りの流れの染料可視化実験を行った。数値計算については、粘弾性流体の構成方程式モデル(FENE-Pモデル)を用いて、粘弾性流体を壁面注入したMDR流れを模擬した大規模なDNS(直接数値シミュレーション)を実行した。また、ニュートン流体および粘弾性流体の平板上乱流境界層流れに角柱を設置した場合のDNS(直接数値シミュレーション)のための数値計算コードを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存のテストプレートの一部を改編することで,サイズの異なる角柱をテストプレートに垂直に脱着可能な機構を設計・製作した。壁面スリットから水および高分子 (PEO) 水溶液を注入した平板上乱流境界層において,その壁面に対して垂直に有限長の角柱を設置した流れ場を対象に,流れの染料可視化実験を行った。染料可視化結果より,角柱が設置された場合では,水注入かPEO水溶液注入かに関わらず,壁面垂直方向に伸長した構造が確認された。また,濃淡値分布より,角柱が設置された場合は,注入流体が同じで角柱が設置されていない場合よりも,染料の壁面垂直方向への最大到達距離が大きくなることを示した。さらに、本実験に対応した数値計算を実現するため、境界埋め込み法(IBM)を用いることで,平板上に角柱を設置した乱流境界層流れのDNSコードを構築した。
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今後の研究の推進方策 |
実験については、壁面ごく近傍における高拡大PIV計測を行い、抵抗低減率の流れ方向変化を明らかにする。そして、広範囲PIV計測による乱流構造の調査を通して、角柱後流の上昇流,粘弾性効果による大規模流れ構造,ならびに抵抗低減効果との関係性の解明を図る。また、数値計算では、現時点では角柱の上流に微小な数値振動が見られるため,その抑制を図る。その後,ニュートン流体および粘弾性効流体の実験結果との比較を通して,数値計算結果の信頼性の確認を行う。
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