研究課題/領域番号 |
23K26075
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補助金の研究課題番号 |
23H01380 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木口 量夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (90269548)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2027年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ロボットシステム / 振動刺激 / 動作生成 / 運動錯覚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,人の筋に加える振動刺激を加えることにより生じる緊張性振動反射や運動錯覚をモデル化し制御する技術を確立させ,その振動刺激制御技術を用いることにより,患者の日常生活における本態性振戦を抑制する振戦抑制システムと新たなリハビリテーションを行うリハビリテーション支援システムの実現を目指すものとする.これらの小型・軽量で安価なシステムを実現することにより,本態性振戦患者の日常生活での振戦を抑制することや,脳卒中患者等に新たなリハビリテーションの機会を与えることが可能となる.
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研究実績の概要 |
本年度は,①人の筋に加える振動刺激のモデル化と制御,②振動刺激により本態性振戦を抑制する振戦抑制システムの2つの研究に関して以下の研究を行った. 人の筋に加える振動刺激のモデル化と制御に関する研究では,上肢と下肢の関節の主要筋に関する振動刺激の影響を調べた.また,振動刺激と他の刺激(皮膚引張刺激や皮膚表面への温度刺激)との同時刺激に対する運動錯覚量の変化を調べ,皮膚引張刺激に併用では運動錯覚量が増大し,皮膚表面への温度刺激では冷やした場合には運動錯覚量が増加し,温めた場合には運動錯覚量が逆に減少することを確認した.更に,複数の筋に同時に振動刺激を加えることにより生じる多次元の運動錯覚を調べ,足関節においては前後左右の運動錯覚方向を合成することより斜め方向の運動錯覚を剛性することに成功した. また,振動刺激により本態性振戦を抑制する振戦抑制システムの研究に関しては,本人が意図した動作以外に生じている振戦を自らの筋でキャンセルするように振戦の逆位相の振動を主導筋と拮抗筋で緊張性振動反射を交互に生成する制御を行った.これにより振戦の逆位相の振動動作を生成することを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ研究計画通りに進んでおり,特に問題は発生していないため,おおむね順調と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は今年度の研究を更に進め,全ての関節の主要筋に関する振動刺激の影響をまとめてモデル化する.また,振動刺激と他の刺激との同時刺激に対する運動錯覚量や反射動作量の変化も含めたモデル化や,複数の筋に同時に振動刺激を加えることにより生じる多次元の緊張性振動刺激と運動錯覚のモデル化を行うものとする. リハビリテーションにおいては,リーチング動作や歩行動作等の複数関節協調動作における緊張性振動反射と運動錯覚の同時生成が必要となるため,上述の各関節の特性を考慮しながら複数関節での協調反射(各関節の筋で同時に生成する緊張性振動反射)と協調運動錯覚を生成するためのモデルを実験により構築する.本研究で構築したモデルを用いて,目標通りの緊張性振動反射や運動錯覚が生じるように制御を行うものとする. 更に本研究では,本態性振戦患者の日常生活動作における振戦抑制を対象とし,患者の筋電信号や脳波を用いて動作意図をリアルタイム推定して,本人が意図した動作以外に生じている振戦を自らの筋でキャンセルするように振戦の逆位相の振動を主導筋と拮抗筋で緊張性振動反射を交互に生成する制御を行う.制御は各筋の振動刺激モデルをベースに行うものとする.振戦を含む患者の動作を計測し,計測された振戦の逆位相の振動動作を生成することにより振戦をキャンセルする.逆位相の振動動作は,振戦を発生させている主導筋と拮抗筋に振動刺激を交互に加え,主導筋と拮抗筋に交互に緊張性振動反射を発生させることにより生成する. また本研究では,脳卒中患者のリハビリテーションを対象とし,患者の筋電信号や脳波を用いて動作意図をリアルタイム推定して,本人が意図した動作を主導筋の緊張性振動反射で生成し,同時に拮抗筋で運動錯覚を生成することにより本人が意図した動作の感覚を生成する.
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