• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

再エネの大量導入を実現する低速度通信を用いた多数台インバータの協調仮想同期機制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K26090
補助金の研究課題番号 23H01395 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分21010:電力工学関連
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

三浦 友史  長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90354646)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
キーワード仮想同期機制御 / 低速度通信 / インバータ / 多数台 / VSG / グリッドフォーミングインバータ / 無瞬断自立系統移行 / 複数台一括連系 / 仮想同期発電機制御 / GFM
研究開始時の研究の概要

本研究は,将来の再生可能エネルギーの大量導入を実現するために不可欠な,系統に慣性を供給する複数台の仮想同期機制御(VSM)インバータを,無線通信のような不定な遅延時間を有する低速度通信を用いてゆるく協調させることによって,安定に並列運転するための制御手法を確立することを目的としている。この手法によって,(i)低周波電力振動(LFO)の抑制,(ii) 複数台のVSMインバータの無瞬断自立運転への移行および系統への一括連系,(iii) 複数台のVSMインバータによる自立系統のブラックスタート,が可能であることを示し,VSMインバータの系統への多数台導入に不可欠な技術的課題を解決する。

研究実績の概要

太陽光発電などインバータを介して電力系統に連系される分散電源は非同期電源と呼ばれるが,非同期電源の系統容量に占める割合が増加すると系統の慣性が不足し,周波数が不安定になることが懸念されている。慣性不足の問題を解決するために,系統に疑似慣性を供給できる仮想同期発電機制御インバータ(VSG)の導入が検討されている。VSGは自らが電圧の大きさと周波数を決定できるため,主系統停電時には自立運転に無瞬断で移行可能である。
しかし, VSGが複数台連系されている小規模系統が主系統から切り離される場合には,解列による擾乱のためにVSG間に低周波電力振動(LFO)が発生し,一部のVSGの出力電力が過大となって,過電流や過渡不安定性が生じる可能性がある。一方,主系統が復電した場合にも複数台のVSGを一括して主系統の電圧位相に同期し無瞬断で連系する手法を確立する必要がある。そこで本研究では,無線通信を想定した低速度通信を利用して,複数台のVSGから構成される小規模系統の解列および連系の手法を確立する。
令和5年度には,まず3台の等容量のVSGと負荷から構成される小規模系統が主系統から遮断器1台によって解列される条件を想定し,その場合の過渡安定性について回路シミュレーションを用いて検討した。その結果,解列前の負荷条件などによってVSG間に発生するLFOの振幅や電力相差角の振動が大きくなり,過電流が発生する可能性が高くなることを明らかにした。またこの問題はVSGの容量に差がある場合や線路インピーダンスが大きい場合に深刻になるのでVSGの制動係数などの制御パラメータを適切に設定する必要があることを示した。本成果については,電気学会東京支部新潟支所大会において報告した。また,1台の系統を模擬した電源と2台のVSG制御を実装したインバータによって構成される小型試験設備を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに回路シミュレーションでは,複数台の仮想同期発電機制御インバータ(VSG)から構成される小規模系統が主系統から遮断器によって切り離される場合に発生するVSG間の低周波電力振動による過渡不安定性について検討してきた。また,低速度通信を利用して複数台のVSGを協調させ,主系統に一括再連系を行う手法について検討を進めてきている。これらの成果は成果については,電気学会東京支部新潟支所大会において報告した。
一方,DSPによって制御される1台の系統模擬電源と2台のVSG制御を実装したインバータによって構成される小型試験設備を構築しており,これまでに基本的なシステムの定常運転を確認している。
以上の理由より研究はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

低速度通信を用いた複数台の一括解列・連系について令和5年度に引き続き回路シミュレーションおよび実験によって検討を行う。
一括解列については,複数台のVSGの過渡安定性と電圧安定性について,解列前の負荷条件の影響を検討する。解列が計画的であるならば,擾乱の影響を小さくするようなVSGの制御パラメータを適応的に変化させる手法について検討する。
一方,一括連系についても,主系統が復電後に,通信を用いて複数台のVSGの制御パラメータを協調的に変化させ設定することにより,主系統との短時間の同期手法,遮断器投入時の擾乱の影響の軽減手法等を検討する。
試験設備としては,令和5度年に構築した2台のインバータと電源を模擬した小型系統試験装置に異なる容量のインバータ1台を追加して拡張し,試験を行う。一括連系の手法については,電気学会の部門大会および研究会において報告する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 複数台のVSMインバータの解列時における過渡安定性の基礎検討2023

    • 著者名/発表者名
      平野聡,三浦友史
    • 学会等名
      電気学会 東京支部新潟支所研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi