研究課題/領域番号 |
23K26091
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補助金の研究課題番号 |
23H01396 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐藤 光秀 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80793968)
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研究分担者 |
長沼 要 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80784298)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | リニア発電機 / フリーピストンエンジン / 発電制御 / 可変圧縮比燃焼サイクル / 負荷追従制御 |
研究開始時の研究の概要 |
フリーピストン式リニア発電機(FPEG)は高効率な出力領域が限られていることから、その領域の発電出力で運転し、バッテリに電力を供給している。しかし、自動車走行の激しい負荷変動に対応するために、低効率領域での運転やバッテリ容量の大型化が課題となり、実用化の弊害となっていた。そこで、本研究は発電制御によるピストンの運動モード変更を利用し、高効率領域を拡大する可変圧縮比燃焼を実現する。これにより、負荷状況に応じて高効率な状態を維持とバッテリの小型化を達成する。本申請では、負荷追従発電制御により、最大エネルギー変換効率の運転領域を拡大し、負荷変動時における効率低下を抑制可能であることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、フリーピストン式リニア発電機において,ピストン運動と損失の関係を考慮しながら、負荷状況に応じてエネルギー変換効率を最大化し、バッテリ容量の低減を可能とする負荷追従発電制御の有効性を検討する。 リニア発電機の発電制御を利用した可変圧縮比燃焼により、最大エネルギー変換効率の運転領域を拡大し、負荷変動時における効率低下を抑制する。負荷追従発電制御では、負荷変動時において最小損失ラインに基づいた圧縮比でピストンを駆動する。そこで、最小損失ラインを基にピストン運動指令を設定する制御アルゴリズムをMATLAB-Simulinkで構築した。電気自動車の走行に伴う出力変動を模擬して,出力に応じた発電量の変更が可能となるコントロールユニットを構築した。コントロールユニットでは離散化や遅延化を作用させることで,負荷変動時にも連続運転が可能であることが明らかになった。また,負荷追従発電制御を利用することで自動車の負荷状態に応じてエンジン出力を変動させることが可能となった。これにより,インバータとバッテリの間の電力のやり取りが少なくなり,バッテリの小型化が可能となることを確認した。 そして,MATLAB-Simulinkで構築した制御アルゴリズムを簡易的に実験装置に実装できるようにリアルタイムシミュレータの導入を検討した。また,ピストンが低周波数で運動する場合にも安定して可変圧縮比燃焼が継続可能となるようなフリーピストンエンジンの設計に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エンジンの燃焼応答性とリニア発電機の応答性の違いを考慮した制御アルゴリズムを構築し,MATLAB-Simulinkで有効性を明らかにした。可変圧縮比燃焼に関連した熱効率の試算精度を高めるシミュレータの導入を検討した。また,ピストン運動が低周波数の場合にも安定して可変圧縮比燃焼を継続可能なエンジン設計に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
可変圧縮比燃焼に関連した熱効率の試算精度を高めるシミュレータを現行のFPEGシミュレータに組み込む。また,提案した制御法はリアルタイムシミュレータを用いて実装し,リニア発電機の可動子運動が連続して継続可能であることを明らかにする。また,可変圧縮比燃焼を継続可能なエンジンの設計を深度化し,エンジンの試作を行う。
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