研究課題/領域番号 |
23K26106
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補助金の研究課題番号 |
23H01411 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
松浦 基晴 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (40456281)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 光ファイバ給電 / ダブルクラッド光ファイバ / 光ファイバ無線 / モバイル通信 |
研究開始時の研究の概要 |
将来のモバイル通信に使用された光ファイバネットワークを活用して,モバイル無線基地局への通信だけでなく,給電も可能な光ファイバ給電技術の高度化を実現する.申請者らがこれまで独自の研究開発を進めてきた,ダブルクラッド光ファイバに対し,問題となっていた伝送損失を大幅に改善するだけでなく,新規波長帯を利用した光ファイバ給電技術の確立も行い,大規模な実証実験によって,その有効性を明らかにする.
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研究実績の概要 |
今年度は,本研究で新たに導入する純シリカクラッド2重コア光ファイバを製作・評価した.製作については,これまでに製作依頼実績のあるファイバメーカーにオーダメードとして依頼し,300 mの長さのファイバを準備した.また,このファイバで信号光と給電光の合分波を行うため,波長多重分割型の空間結合系の光カプラを導入し,これを組み合わせた光ファイバ給電系を完成させた.この光カプラは従来のものよりも構成が簡易で,挿入損失も低いため,より実用的な構成に最適なものである.本研究では,これまでの808 nm帯の給電光から980 nm帯の給電光を用いるため,基地局側で光電力を電気電力に変換するための光電変換素子についても,これらの波長帯に対応したものが必要となる.980 nm帯については,この分野で世界トップ技術を有する海外メーカーの研究グループに対して,実証実験に必要な素子の製作を依頼し,応募者らの光ファイバ伝送系に組み込んで評価を行った.これにより,300 mの純シリカクラッド2重コア光ファイバを用いて,1550 nm帯の信号光と980 nm帯の給電光の同時伝送実験を行った.結果として,980 nm帯の給電光においては,これまでの損失を大幅に改善することに成功し,同時伝送した信号光の信号品質についてもほとんど劣化が発生しないことを実証することに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
純シリカクラッド2重コア光ファイバの内部クラッドの損失については,目標としていた980 nm帯だけでなく,1550 nm帯でも想定をはるかに凌ぐ低損失が行えることが実証された.また,信号光との同時伝送においても,クロストークがほとんど発生しないことを確認することが出来,想定以上の成果を達成することに成功したため.
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今後の研究の推進方策 |
純シリカクラッド2重コア光ファイバの内部クラッドの損失については申し分ない成果が得られたが,構成上,中心コアの損失は以前のファイバと比較して増加することが確認された.この問題を克服するため,構成の異なる純シリカクラッド2重コア光ファイバの特性比較をさらに進めて,中心コアの低損失化と信号光と給電光を同時伝送した際のクロストークの抑制が可能なファイバの実現を目指す.
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