研究課題/領域番号 |
23K26140
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補助金の研究課題番号 |
23H01446 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
藤井 彰彦 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80304020)
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研究分担者 |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50204186)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 液晶性半導体 / フタロシアニン / 半導体性混合液晶 / 有機薄膜トランジスタ / 有機薄膜太陽電池 / フタロシ アニン |
研究開始時の研究の概要 |
世界最高レベルのキャリア移動度を示す液晶性フタロシアニンを基盤とし、同族列分子や類似構造液晶性分子との混和性を活用することによりエネルギーギャップが制御可能な半導体性混合液晶の電子・光物性の体系化と設計指針を確立する。その自己組織性と一軸結晶成長性に着目し、高次構造を有するナノ薄膜ならびに交互積層構造の構築を行い、そのエネルギー構造由来の電子・光機能性を明らかにする。また、支配的なキャリア極性およびキャリア移動度との相関性を明らかにし、キャリア輸送機構を解明する。さらに、機能応用としての高移動度有機薄膜トランジスタ、高効率有機薄膜太陽電池を実現する。
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研究実績の概要 |
以下の3項目について実施した。 (A)半導体性混合液晶の開発と秩序構造・結晶構造解析:高移動度を示す液晶性フタロシアニンを基盤として、種々の同族列体、類似構造体の開発と混合液晶化を試み、熱物性評価と偏光顕微鏡観察におけるテクスチャー変化を合わせて状態図の決定を行った。また、液晶相、結晶相における混和性、薄膜中の結晶構造、面内及び面外分子配向秩序をXRDを用いて明らかにした。特に、類似の基礎物性を示すアルキル置換基体は混和性が明確であり、フタロシアニン骨格の電子状態に影響を与えることがわかった。 (B)半導体性混合液晶薄膜の作製と分子配向・電子物性評価:混合液晶について一軸掃引塗布プロセスにより薄膜作製を行った。その電子・光物性について分光測定および電気測定により評価し、エネルギー準位及びキャリア輸送特性を明らかにした。また、偏光分光手法を用いて分子配向方向を明らかにし、混合液晶薄膜中の配向秩序状態を決定した。特に、紫外可視分光法及び光電子分光手法により、イオン化ポテンシャルとエネルギーギャップを明らかにした。偏光分光手法を用いて光学的異方性を評価し、2色性比を算出した。 (C)半導体性混合液晶の電気伝導機構の解明:薄膜試料について過渡電流波形測定によるキャリア輸送特性評価を行った。開発材料の結晶相及び液晶相の分子配向状態に対し、主として正孔移動度の変化を明らかにした。また、分光感度特性評価より光電変換効率を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属研究機関が変更となり、研究環境の整備、実験設備・機器の移設、実験系の立ち上げ作業のため、半年を要した。そのため、研究実績の概要で示した(B)および(C)に関しては当初計画よりも遅れているため、2年目に重点的に実施する予定である。一方で、(A)については、前所属研究機関と研究分担者の全面的な協力があり、予定よりも前倒しで遂行できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の所属研究機関が変更となったが、国内の研究協力者等などとの連携には問題はない。オンラインによる議論はもちろんのこと、地理的に訪問は容易であるため、定期的な研究打ち合わせを引き続き予定している。また、所属研究機関の変更に伴い、一部実験設備の追加立ち上げが必要であるため、2024年度中に物品の調達と調整を行う予定である。これにより、研究実績の概要で示した(B)および(C)に関して重点的に遂行する。さらに、今後は(D)半導体性混合液晶を用いたヘテロ接合デバイスにおける光電変換特性評価についても計画しているが、本項目で使用する機器は先行して立ち上げ作業を完了しているため、計画どおり開始することに問題はない。
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