研究課題/領域番号 |
23K26182
|
補助金の研究課題番号 |
23H01488 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
藤山 知加子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (60613495)
|
研究分担者 |
子田 康弘 日本大学, 工学部, 教授 (40328696)
仙頭 紀明 日本大学, 工学部, 教授 (40333835)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2027年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | 橋梁床版 / 砂利化 / 粗骨材 / プレパックドコンクリート / 上面補修 / s/a / 繰返し荷重 |
研究開始時の研究の概要 |
具体的には,砂利の体積比率4割程度のコンクリートに対し,あらかじめ砂利を密に敷き 詰めた状態で高流動のモルタルを流し込んでコンクリートとして一体化させる「プレパック ド」方式で,砂利の体積比を高めたコンクリートを製作し,砂利同士のロッキング機構とモルタル部の固体強度の寄与の割合を明らかにする.さらに,同コンクリートを用いて橋梁床版の上面コンクリートの砂利化に対する抵抗性の高い床版構造を提案し,気中及び水中の繰返し載荷試験により,その効果を検証する.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,橋梁床版の耐久性を高めるために,①粒状体である砂利と,砂利をモルタルで固結したコンクリート,あるいはその遷移領域にある材料の耐荷機構の変化を明らかにするとともに,②砂利体積比を高めて適切に拘束を与えることで湿潤あるいは水中においても圧縮疲労強度の低下を最小限とする橋梁床版の機能を実証することである. R5年度は,既往の研究と同等に固結するモルタル量をパラメータとした試験体について気中での一軸圧縮試験を実施したが,粗骨材とモルタルの体積比をs/aという指標を用いて結果の整理を行った.その結果,モルタル量が一般的なコンクリートの60%程度以上の配合であれば,強度が最大となるs/aが存在するという傾向を得た.言い換えれば,モルタル量自体が多少減少しても,モルタル中の細骨材と粗骨材の比率が適切であれば,一定程度の強度を確保できる可能性があることを示している. また,当初は研究の後半(R7~8年度)で実施する予定であった構造実験について,先行して予備実験をR5年度に実施した.具体的には,中規模試験体(スパン600mm)普通コンクリートの版と,プレパックドコンクリートを用いて上面補修を行った版との比較載荷試験である.繰返し荷重下でのたわみの増加,載荷―除荷剛性の変化率,破壊までの回数を計測した.その結果,補修床版では破壊形態が事前のFEMによる想定と異なっており,繰り返し載荷,単調載荷のどちらにおいても,押抜きせん断破壊ではなく,載荷点から発生するひび割れが補修コンクリートの境界面の剥離を助長した急激なせん断破壊を呈した.剛性の低下率と残留変位の進行も大きかった.これを踏まえ,今後に向けた補修施工手順の見直しを行う予定である.また,研究分担者と共同して実施した梁試験体の実験およびFEMによる分析については,対外発表を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,要素実験を実施することができた.ただし,新たにs/aの指標を用いて結果整理をしたところ,当初予想していなかった傾向を見出したため,実験の種類(3軸圧縮試験,せん断試験)は減らして,1軸圧縮試験でのケースを増やすなど,若干の変更は生じている. また,上記と並行して,R7-8年度に予定していた構造実験の予備実験にも着手することができた.実験により新たな課題が見つかったため,引き続き本実験に向けてR6年度も並行して改善検討予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は当初の予定通り,引き続き要素実験を様々なパラメータについて実施し,データを蓄積・結果の分析を行う.手法自体は確立しているため,特に問題点はないと考えている. 一方で,版および梁試験体による床版補修工法の検証実験については,施工条件によっては数値解析で得られた想定とは異なる破壊形態が生じることを確認した.このため,試験体の施工による結果のバラツキを減らすため試験体自体をスケールアップすることと同時に,補修手順,特に上面補修用コンクリートの打ち込み時間,温度,表面処理など管理手法を設定する予定である.
|