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土堤の落石衝撃力伝播・破壊のダイナミクス構築:落石対策のパラダイムシフトの実現

研究課題

研究課題/領域番号 23K26195
補助金の研究課題番号 23H01501 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分22030:地盤工学関連
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

前田 健一  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50271648)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
キーワードマイクロメカニクス / 落石 / トライポロジ / マルチスケール / 個別要素法 / 相似則
研究開始時の研究の概要

画像解析を活用した測定を取り入れ、新しい衝撃実験によって、土内部の局所的な変形挙動や伝達応力について従来は見逃されていた現象の可視化に挑戦する。
また、従来のように土を連続体レベルだけで捉えるのではなく、粒子レベル、粒子が連なった粒子骨格レベルといったマルチなスケールで観察し、それらの相互作用から緩衝・落石捕捉メカニズムを深掘りする。個別要素法解析も用いる。
さらに、衝撃力の緩衝挙動を粒子自体の特性が顕著に表れる粒状体としての性質(粒子性)と波として伝播する性質(波動性)の二重性で捉える。マルチスケールと二重性に着目した土の緩衝効果メカニズム解明は世界に例のない独創的な試みとなる。

研究実績の概要

画像解析を活用した測定を取り入れ、新しい衝撃実験によって、土内部の局所的な変形挙動や伝達応力について従来は見逃されていた現象の可視化に挑戦した。また、従来のように土を連続体レベルだけで捉えるのではなく、粒子レベル、粒子が連なった粒子骨格レベルといったマルチなスケールで観察し、それらの相互作用から緩衝・落石捕捉メカニズムを深掘りを目指した。そのために、個別要素法(DEM)解析も用いた。さらに、衝撃力の緩衝挙動を粒子自体の特性が顕著に表れる粒状体としての性質(粒子性)と波として伝播する性質(波動性)の二重性で捉える。マルチスケールと二重性に着目した土の緩衝効果メカニズム解明は世界に例のない独創的な試みであり、物理学、衝撃工学、地盤力学、構造力学を跨ぐ学際的研究である。以下の目標・課題について検討し一定の成果を得た。
(1)表土の跳ね返り特性に及ぼす落体特性と地盤力学的特性の影響:斜面に衝突する落石の挙動評価の精度向上には、落体の幾何学的特性(形状・サイズ・質量)や運動特性(並進、回転、入射角)や表土の構造特性(層厚・傾斜)や土質特性(土の粒径・形状・破砕性等の粒子特性)や密度、含水状態など地盤力学的特性の影響を調べた。
(2)局所変形・局所破壊の進展に着目した緩衝層である溝(ポケット)及び土堤の構造体の衝撃力伝達特性、破壊耐力、落石捕捉性能に及ぼす模型サイズと地盤力学的特性の影響(相似則の導出): 土堤においても変形しながら落石衝撃力を緩衝し、落石エネルギーの低減、落石を逃さないために適度な耐力を有する必要がある。どのような土質や構造体の形状、水分や密度などの土の管理状態が適切かについて詳細に検討した。
(3)補強効果に及ぼす落石-緩衝層-構造物の相互作用の影響(新たな土の役割):緩衝層の多層化や傾斜化、他材料との組み合わせた際の最適な組み合わせ、土堤表面の補強などを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小型実験と個別要素法解析など順調に計画通りに進んでいる。一方,中型実験については実験費用の高騰という障害はあるものの計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

土木研究所寒地土木研究所保有の大型実験施設を用いた共同実験を既に始めており、衝撃力波形計測に成功している。本研究遂行のため、様々な条件で信頼できる実験結果を得る準備を整えつつある。
研究の協力として寒地土木研究所・中村拓郎 主任研究員、構研エンジニアリング・鈴木健太郎氏とは落石対策について既に共同研究し、準備が進められてきた。既に連携が取れており、課題の遂行性は極めて高い。
従来の個別要素法(DEM)解析で衝撃力解析を行い、従来の方法では表現できない点、拡
張・改良すべき課題を明らかにしている。本申請研究で再現精度が大きく向上すると考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 衝撃載荷および静載荷による砂質土を用いた落石防護土堤の破壊挙動2024

    • 著者名/発表者名
      木村 絢, 前田 健一, 牛渡 裕二, 中村 拓郎, 内藤 直人, 近藤 慶亮
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 号: 3 ページ: n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-00253

    • ISSN
      2436-6021
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 漏水流量と基礎地盤の損傷の関係から導く河川堤防のパイピング破壊曲線2024

    • 著者名/発表者名
      澤村直毅,前田健一,大桑有美
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 号: 16 ページ: n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-16008

    • ISSN
      2436-6021
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 漏水流量と地盤損傷の関係性に着目した 河川堤防のパイピング破壊に対する矢板の効果2023

    • 著者名/発表者名
      澤村直毅,前田健一
    • 雑誌名

      河川技術論文集

      巻: 29 号: 0 ページ: 169-174

    • DOI

      10.11532/river.29.0_169

    • ISSN
      2436-6714
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポケット部に緩衝材を有する落石防護土堤への実規模落体衝突実験2023

    • 著者名/発表者名
      磯合凌弥,前田健一,牛渡裕二,中村拓郎,木村絢
    • 雑誌名

      構造工学論文集 A

      巻: 69A 号: 0 ページ: 1082-1094

    • DOI

      10.11532/structcivil.69A.1082

    • ISSN
      1881-820X
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 重錘衝突実験・DEM解析による落石防護土堤の 変形破壊挙動および内部挙動の把握2023

    • 著者名/発表者名
      木村絢,前田 健一,磯合 凌弥,近藤 慶亮,中村 拓郎,菅原正則,内藤 直人
    • 学会等名
      第28回計算工学講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 静的載荷作用に対する落石防護土堤のスケール効果2023

    • 著者名/発表者名
      近藤慶亮,前田健一,磯合凌弥,木村絢,中村拓郎,菊池優希,内藤直人
    • 学会等名
      第58回地盤工学研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 受動土圧や土塊の抵抗力による落石防護土堤の耐力評価に関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      近藤 慶亮,前田 健一,磯合 凌弥,木村 絢,中村 拓郎,牛渡 裕二,内藤 直人
    • 学会等名
      第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 落石防護土堤への衝撃載荷実験による衝突後の転がりに着目した重錘の運動機構2023

    • 著者名/発表者名
      木村絢,前田 健一,磯合 凌弥,近藤 慶亮,中村 拓郎,鈴木健太郎,内藤 直人
    • 学会等名
      第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 土壌硬度試験による落石防護土堤の損傷度評価に関する実験的検討2023

    • 著者名/発表者名
      内藤直人,菅原正則,岡部里音,海部友和,前田健一,中村拓郎
    • 学会等名
      第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 待受け対策工に作用する斜面崩壊土砂の衝撃応力発生メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      高坂晏志,内藤直人,松田達也,前田健一,木村絢,難波正和
    • 学会等名
      第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 石防護土堤の破壊性状把握のための重錘衝突実験およびDEM解析2023

    • 著者名/発表者名
      木村絢,前田健一,中村拓郎,岡部里音,内藤直人,近藤慶亮
    • 学会等名
      第14回構造物の衝撃問題に関するシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 単発および繰返し衝撃載荷実験による落石防護土堤の変形破壊挙動への影響2023

    • 著者名/発表者名
      木村絢,近藤慶亮,小栗快之,前田健一,中村拓郎,牛渡裕二,奥河優斗
    • 学会等名
      令和5年度土木学会北海道支部年次技術研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 重錘衝突実験による落石防護土堤の内部および表面変状と貫入抵抗2023

    • 著者名/発表者名
      澤村直毅,木村絢,近藤慶亮,小栗快之,前田健一,中村拓郎,内藤直人,益子優太
    • 学会等名
      令和5年度土木学会北海道支部年次技術研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 材料の異なる落石防護土堤に対する重錘衝突時の速度・エネルギーの遷移挙動2023

    • 著者名/発表者名
      近藤慶亮,木村絢,小栗快之,前田健一,中村拓郎,海部友和,内藤直人
    • 学会等名
      令和5年度土木学会北海道支部年次技術研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 材料・スケールの異なる落石防護土堤の破壊性状の把握2023

    • 著者名/発表者名
      小栗快之,木村絢,近藤慶亮,前田健一,中村拓郎,鈴木健太郎,高坂晏志,瓦井智貴
    • 学会等名
      令和5年度土木学会北海道支部年次技術研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] Theory and Application of Hydraulic Modeling Interaction between Wave and Ground Motion2024

    • 著者名/発表者名
      Edited By Taro Arikawa
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      Routledge Taylor&Francis Group
    • ISBN
      9781032544137
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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