研究課題/領域番号 |
23K26199
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補助金の研究課題番号 |
23H01505 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小峯 秀雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90334010)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | ベントナイト / 水分移動 / 温度勾配 / 連成挙動 / 高レベル放射性廃棄物地層処分 |
研究開始時の研究の概要 |
高レベル放射性廃棄物(HLW)地層処分に資するため,高温環境下における各種ベントナイトの水分拡散特性に関する現象解明と仕様設計に用いるデータベース化,ベントナイト中の熱流束に関する現象理解を行う.第一に,種々の温度勾配下における水分拡散特性を測定できる新しい実験装置の設計・製作と新実験方法を構築する.そして特徴の異なるベントナイト数種類に対して,様々な高温環境下における水分拡散係数の測定とデータベース化を行う.さらに供試体上下端に設置する熱流計により,各種ベントナイト中の水分拡散挙動と共に発生する熱移動に関するデータ測定も行い,HLW崩壊熱に起因する熱流束の挙動について調べる.
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研究実績の概要 |
原子力発電において発生する高レベル放射性廃棄物の地層処分では,廃棄物に含まれる放射性核種の処分場外への移動を抑制するための多重バリアシステムが計画されており,その一つである緩衝材にベントナイトの使用が検討されている.緩衝材において,内部となる廃棄体側は放射性核種の崩壊熱によって高温になる一方,外部となる岩盤側は地温相当であるため,処分場の操業初期において緩衝材内に温度勾配が生じることが想定される.この温度勾配が,緩衝材に流入する地下水の移動に影響を及ぼすことが指摘されている.そこで,当該年度は,上記現象を模擬できる新しい要素試験方法の提案に向けた基礎的試験を行い,一次元上での温度勾配環境下の水分移動の傾向について,経時変化を条件として評価を行った.今回は,ベントナイト試料として用いたベントナイトは,クニミネ工業製Na型ベントナイトであるクニゲルV1である.供試体は,直径60 mm,高さ40 mmの円柱形を目標として,ベントナイト試料の静的締固めにより作製した.1回の試験につき供試体を2つ用意し,それぞれの目標初期乾燥密度を1.60 Mg/m3および1.50 Mg/m3とした.また,初期含水比が15.0%および20.0%となるよう加水養生を行った. 今回得られた主な結果は,以下の通りである.すなわち, 1)各試験時間における試験後供試体の含水比低下量の高さ方向分布から,供試体内の間隙水の減少量が低下している傾向が認められ,供試体内の水分移動が供試体の置かれる湿度環境との平衡状態へ向かっていることが推察された. 2)各試験時間における試験後供試体の上面にみられる乾燥ひび割れの様子から,試験開始より開放された供試体上面の乾燥が卓越し,試験時間の経過に伴い供試体内の水分移動が卓越する傾向が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,新しい試験装置の試作を行い,得られた実験結果から,およその傾向を把握し,より詳細な試験に高度化させるポイントを明確にできたから.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ベントナイト系緩衝材の周辺環境としての地下水の浸入と崩壊熱に起因する熱流束の関係を要素試験化する「緩衝材の水分拡散・熱流束連成挙動測定装置」の試作機をより精度の高い試験装置へと高度化する.高温側に設定した供試体の下部は,高レベル放射性廃棄物(HLW)廃棄体からの熱流束を模擬し,供試体中の下部からの水分移動を模擬している.緩衝材供試体は,早稲田大学が選定している特徴の異なる6種類のベントナイトを1.0~2.0Mg/m3の範囲で乾燥密度を変化させる.供試体の上下端の温度設定は,既往研究の成果に基づき想定する緩衝材の要素部位の温度勾配を供試体高さ(現在,40 mmと想定)に応じて算出し,それぞれ30~95℃の範囲で設定する.供試体上下の加熱/冷却制御器を活用して,上記の温度勾配環境を設定し,供試体の下流側に設置する予定の二重管ビュレットを使って,大気圧から処分施設の地下水圧環境が設定できるように高度化する.供試体からの排気量の経時変化を,排気量計測ビュレットで,供試体下部からの吸水量を二重管ビュレットでそれぞれ経時的に測定し,両者から水分拡散係数を算出(恒温水槽を使用する場合は,排気量から算出)する.これにより各種温度勾配環境下における水分拡散特性の測定・評価を試みる.また,前年度の研究成果から,供試体中の水分移動に伴い,供試体外に間隙空気が排気される際に生じる亀裂状況と排気特性との関係についても定量化を試みる.
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