研究課題
基盤研究(B)
本研究は、「水害を経験することによって、人は、どこまで正しい避難行動基準を身に着けることができるのか」を明らかにすることであり、経験による行動規範獲得という社会科学的課題に、シミュレーションと機械学習という工学的方法で挑戦し、定量的な分析を行おうという点に特徴がある。具体的には、豪雨の時空間確率特性に基づく洪水シナリオを多数作成し、各シナリオ下での避難行動を水害避難ミクロモデルによってシミュレートし、避難の成否から、強化学習手法を用いて避難基準を獲得させる。次いで、学習に用いなかったシナリオでどの程度適切な行動ができるかを調べ、経験したシナリオの多様性と行動基準の有効性を関連付けて分析する。