研究課題/領域番号 |
23K26209
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補助金の研究課題番号 |
23H01515 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
辻本 久美子 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (80557702)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
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キーワード | 土壌水分 / 誘電率 / 土壌水分特性 / リモートセンシング / マイクロ波 / 土壌水分量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,吸湿水・毛管水・重力水といった土壌水の存在形態が湿潤土壌の誘電率に与える影響を明らかにし,土壌水分量と誘電率との関係を表現する誘電率モデルを改良する.誘電率モデルは,人工衛星からの地球環境リモートセンシングにおいて,土壌水分量を推定するためのアルゴリズムの一部として用いられている.しかし,土壌水分量と誘電率との関係には土性(砂や粘土の含有率など)依存性があるため,既存の誘電率モデルでは推定精度に地域依存性がある.本研究では,土壌水分特性に着目した新たな誘電率モデルを構築することで,世界各地の多様な土壌に対する土壌水分量のリモートセンシング精度向上を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,吸湿水・毛管水・重力水といった土壌水の存在形態が湿潤土壌の誘電率に与える影響を明らかにし,多様な土性に対して土壌水分量と誘電率との関係を定量化するためのデータベースを構築する. 今年度は,まず,土壌の粒径分布,間隙率,乾燥密度,有機物量,土壌水分特性(保水性),土壌水分量-誘電率関係に関して,過去の調査・実験から得られるデータを国内外から広く収集してデータベース化を行った.この際には,日本語で発表された報告書や論文なども収録対象とすることで,これまで国外の研究に反映されにくかった日本国内の知見も含めて包括的なデータベースの構築を実現することができた. 次に,構築したデータベースに対して複数の誘電率モデルを適用し,誘電特性に関する既往知見に不確実性が高い土壌を抽出した.世界各地には多様な土壌が存在し,そのすべてに対して誘電特性を実測することは現実的ではないため,先行知見に基づくデータベース構築とモデル間比較により,本研究にて新たに誘電特性を計測する土壌種類の優先順位付けを行った意義は大きい.この結果に基づき,国内の複数地点において試験土壌を採取するとともに,海外の土壌試料入手に向けて準備を進めた. 今年度は同時に,土壌の誘電特性を計測するための測器(ネットワークアナライザー)を購入し,様々な実験方法を試行錯誤しながら,土壌の含水量-誘電率を安定的・高精度に計測する手法について検討した. 以上の結果に基づき,次年度以降に様々な土壌試料に対する誘電特性を実測し,その結果について,先行研究との比較ならびに誘電率モデル推定値との比較を行いながらデータベース化していく準備が整った.これらに基づき,次年度以降,誘電率に関する実験とデータベース更新を進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
関連分野の研究者らから多大なご協力をいただき,やや計画を前倒して土壌試料の採取・実験準備を進めることができている.
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今後の研究の推進方策 |
今年度に準備したデータベースおよび実験用設備を利用して,今後の研究を推進していく.
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