研究課題/領域番号 |
23K26218
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補助金の研究課題番号 |
23H01524 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
和田 健太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20706957)
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研究分担者 |
柳原 正実 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (20739560)
塩見 康博 立命館大学, 理工学部, 教授 (40422993)
中西 航 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (70735456)
瀬尾 亨 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (90774779)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 交通流理論 / 交通制御 / ボトルネック / サグ / トンネル / 交通容量 / 交通状態推定 / 車線変更 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,我が国の都市間高速道路の主要な渋滞箇所であるサグやトンネルでは,ペースメーカーライトや音声注意喚起等の交通制御が各地で導入され,一定の成果をあげている.本研究の目的は,交通流に様々なパターンで介入できる“実験的な状況”を活用し,安定的な交通性能の改善に繋がる知見を得ることである.より具体的には,現実に観測される安定的なパターンを記述するマクロな交通流理論を確立し,交通制御による介入前後の観測データによる理論の検証,それを可能とする交通状態・基本交通パラメータの推定手法の一般化,Driving Simulator・実道走行実験による運転挙動分析・制御パターンの評価に総合的に取り組む.
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研究実績の概要 |
現在,我が国の都市間高速道路の主要な渋滞箇所である単路部(サグやトンネル等)では,ペースメーカーライトや音声注意喚起等の交通制御が各地で導入され,一定の成果をあげている.本研究の目的は,交通流に様々なパターンで介入できる“実験的な状況”を活用し,安定的な交通性能の改善に繋がる知見を得ることである.具体的には,本研究は,大きく次の2つの柱からなる:(A)「走行挙動-交通性能」関係を観測スケールで記述するマクロな交通流理論の確立・検証;(B)「交通制御による介入-走行挙動変化」関係を把握のためのミクロな運転挙動分析.
初年度の令和5年度では主に,(A), (B) に関わる要素技術の開発を行った.具体的には,(A) では,マクロ交通流理論に基づき渋滞中の速度回復挙動と交通容量を定量的に結びつける手法を様々な地点に適用し,その頑健性を確認するとともに,応用としてボトルネックの正確な位置把握や交通制御導入効果の持続性について考察した.また,理論の入力となる基本パラメータ(交通基本図)の新たな推定手法や,今後の理論検証に必要となる車線変更も含む多車線道路での車両軌跡を精緻に再構築する手法の開発を行った.(B) では,代表的なミクロな運転挙動分析として車線変更挙動に焦点を当て,車両軌跡に基づく時系列クラスタリングや交通流への影響の類型化,運転意図とストレス指標の関係分析と多角的に分析を行った.
また,本研究のメンバーも参画している産学連携自主研究グループで上記成果について共有し,研究期間後半で分析予定の実証実験シナリオについての議論を開始した(実験自体はあくまで産学連携研究グループで実施される).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(A) については,マクロ交通流理論の適用可能性の検証やその周辺技術の整備が当初の予定以上に進んでいる状況である.(B) については,交通制御による介入と走行挙動の関係分析には至っていないものの,ミクロな運転挙動分析の手法整備は進んでいる.したがって,全体としてはおおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,研究期間全体を,現状の交通制御システムから得られる実績データに基づく分析を行うPhase 1(2023・2024年度)と,実証実験に基づく分析を行うPhase 2(2025・2026年度)に分けて研究を進める予定である.今後はまず,Phase 1として,残された要素技術の開発を行う.(A) としては,現状の理論を交通流の揺らぎも表現可能なものへと拡張し,また,交通制御変更前後の適切な効果検証法の整備を行う.(B) としては,交通制御による介入と走行挙動の関係分析を観測データおよびドライビング・シミュレータを用いて行う.
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