研究課題/領域番号 |
23K26227
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補助金の研究課題番号 |
23H01533 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
梶谷 義雄 香川大学, 創造工学部, 教授 (80371441)
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研究分担者 |
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)
吉田 護 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (60539550)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2026年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 災害対応型一般均衡モデル / 企業レジリエンス / 社会基盤 / サプライチェーン / 災害復興 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、我が国において蓄積されてきた豊富な災害影響の実証データを活用し、災害の中長期的な経済的影響の評価手法を開発する。また、過去の大災害による経済影響の再現計算を通して、開発した評価手法を検証するとともに、想定南海トラフ巨大地震へ適用することで、社会基盤復旧早期化や事業継続計画導入等の災害対策効果を推計し、政策的知見を導出する。
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研究実績の概要 |
1991年の雲仙普賢岳噴火ならびに2016年の熊本地震を対象とした地域経済への中長期的影響を把握するために、雲仙岳災害記念館ならびに地方経済総合研究所においてヒアリング調査を実施した。雲仙岳噴火災害では、その後の人口変動が地域経済に与える影響が大きく、近年における我が国の災害に重なる部分も多いことが明らかとなった。また、熊本地域では、震災から三年経過時点において小規模事業者の生産能力が回復していない状況が判明した一方で、近年では産業構造の転換が進み、半導体産業を中心に新たな成長過程に至っていることなど、社会経済的背景の異なる二つの災害に対する理解を深めた。特に、熊本地震の経済的影響については、これまでに実施した事業所調査結果を再整理し、事業所間の属性を可能な限り整合させる傾向スコアマッチング法を活用した災害影響評価モデル(リカバリー関数、Difference-in-Differencesモデル)を適用するための準備を進めた。また、2011年の東日本大震災の被災地域や熊本地震の被災地域において、公表されている経済統計データについても整備を進めた。特に、東日本大震災の復興特別会計ならびに地方財政統計年報等の復興予算の検証用資料をレビューし、年度別・県別の歳出状況の整理を行った。さらに、次年度実施予定のアンケート調査の設計に取り組んだ。事業者の休廃業やサプライチェーンの強靭化、設備投資等に着目した長期的な災害影響評価を行うことを主眼に、収集すべき情報の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域経済に関する公開データを用いた分析はやや遅れているものの、地域経済の復興状況を熟知した機関との情報交換を通じて、地域経済の中長期的な構造変化の状況を把握し、調査設計へフィードバックすることができている。
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今後の研究の推進方策 |
中長期的な影響評価を左右する公共投資、民間投資、消費性向のデータは収集を継続し、小地域単位の人口、事業所、従業員数の変化や個別事業所のミクロデータを組み合わせ、被災地内外の投資・消費、廃業・新設の規模を推計する。この際、差の差分析や共変数を精査した確率モデルによる事業所の復旧関数の推計を行う。これまで被災後調査において協力していただいた企業を対象に、事業継続の有無、災害影響の長期的な残留度やサプライチェーン多様化などのミチゲーションの状況をアンケートすることで、影響の継続期間や廃業確率を裏付ける基礎情報を得るほか、一般均衡モデルにおける代替弾力性の変化等の分析を実施する。
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