研究課題/領域番号 |
23K26233
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補助金の研究課題番号 |
23H01539 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池 道彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40222856)
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研究分担者 |
井上 大介 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70448091)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 余剰汚泥 / バイオプラスチック / ポリヒドロキシアルカン酸(PHA) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、下水処理において発生する余剰汚泥を、多様な有機成分から効率的にPHAを生産するバイオ触媒に迅速に転換する微生物集積技術、ならびに集積系を用いた効率的なPHA生産技術を確立したうえで、それら一連の技術の適用により、様々な組成を有する広範な産業排水からPHAを生産し得ることを検証し、下水処理場をバイオマスから“高付加価値のモノ創りを行う場”へと転換する構想の実現に向けたシナリオを提示する。
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研究実績の概要 |
本研究では、下水処理場をバイオマスから“高付加価値のモノ創りを行う場”(バイオリファイナリー)に進化させる具体的な例として、産業排水等に含まれる特定有機成分を基質に用いて余剰汚泥中のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)生産・蓄積微生物を迅速に集積し、PHA生産触媒へと迅速に転換する手法を確立すること、及び、構築された集積系を用いたPHAの高効率生産プロセスを構築することを一義的な目的としており、さらに、確立したPHA生産プロセスにより、実産業排水を用いた場合にもPHA生産が可能であることを検証し、構想実現に至る道筋を提示することを目指している。 本研究では、【課題1】多様な有機成分からPHAを生産する微生物集積系の迅速構築技術の確立、【課題2】PHA合成を向上させるキーファクターの同定、【課題3】各種有機成分からのPHA生産プロセスの最適化、【課題4】実排水を用いたPHA生産の検証と下水処理場への実装シナリオの提示の4つの課題に取り組むこととしており、初年度となる2024年度には主に【課題1】に取り組んだ。産業排水等に含まれる代表的な有機成分として、有機酸では酢酸、糖類ではグルコースを対象とし、Aerobic dynamic discharge法を用いて、余剰汚泥からPHA生産微生物を数日間で集積し、PHA生産触媒に転換する手法について検討した。その結果、酢酸を基質に用いた迅速PHA生産触媒化に有効な運転条件を明らかにし、確立した手法が性状の異なる余剰汚泥に対して有効であることを検証することができた。また、グルコースを基質とした迅速PHA生産触媒化では、集積培養の基礎を確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
酢酸を基質として、性状の異なる余剰汚泥に適用可能な迅速PHA生産触媒化手法を確立することができ、さらに、グルコースを基質とした迅速PHA生産触媒化手法についても今後の進展につながる基礎的知見を得ることができた。これらより、当初予定していた課題をおおむね順調に進めることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ重大な問題なく進展し、研究計画について特段の変更等は必要ないと考えている。今後も当初予定に従い研究を推進するとともに、研究成果の積極的な公表を継続していく予定である。
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