研究課題/領域番号 |
23K26271
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補助金の研究課題番号 |
23H01577 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横山 ゆりか (今井ゆりか) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251324)
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研究分担者 |
田中 雅大 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (00881880)
長澤 夏子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70308188)
松田 雄二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70516210)
畑 倫子 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (90727918)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2027年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | プレイス・アタッチメント(場所愛着) / レジリエンス / 震災復興計画 / 郊外住宅地 / 駅周辺開発 / プレイスアタッチメント(場所愛着) / 郊外再開発地域 / タワーマンション / 災害復興地域 / 集会施設 / コミュニティセンター / 集合住宅団地 / 集会所 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では代表者らによるこれまでの研究の蓄積を踏まえ、特定地域の中から愛着が形成されている建物・場所を抽出する手続きを確立する。特定地域として新旧の交雑する郊外再開発地域と災害復興地域を選定してインタビュー・アイトラッカー実験とWeb予備調査で抽出した対象について、実際にプレイス・アタッチメント評価のWeb本調査を行い、新旧の建物・場所群の愛着における差について検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、I郊外再開発地域、II災害復興地域 の2地域における場所愛着(プレイス・アタッチメント)の対象となる場所の特徴について検討する。研究計画は、プレイス・アタッチメント指標を応用した建築・地域評価の調査をもとに組み立てられており、2チームでI、II地域をそれぞれを担当している。2023年度は、I、II、およびこれら両者に関連するその他の調査についてそれぞれ以下の実績をあげた。 【I】: 長澤・畑・田中(以上分担者)・松本(協力者)が担当し、研究代表者の助言のもと、調査企画や現地調査を行って研究対象や方法を具体化するとともに、インタビューによる定性調査およびウェブアンケートによる定量調査を実施した。再開発地域のタワーマンション居住者とその他とで同程度に場所愛着が見られること、一方でタワーマンション居住者はその他と比べて、対象の地域名であると認識する範囲が狭く同質の人が暮らすことに愛着を持ち、対象地域により整然とした街並みというイメージを持っていることなどが示唆された。成果は2024年に国際会議に1件(アクセプト済)、国内学会に2件発表を予定している。 【II】: 横山(代表)・松田(分担者)が担当し、福島県双葉郡の原子力災害被災地域における復興の現地調査を行って、予備的な考察を行うとともに研究対象や方法を具体化した。災害復興地域においては特に、日常的に利用できる集会施設が住民の愛着の対象となる可能性があることが観察された。成果の一部は2024年に国内学会に1件発表を予定している。またアイトラッカーを用いた予備的現地調査を行い、現在データ分析中である。 【その他】:横山(代表)が担当し、I, IIとの比較を目的として郊外住宅団地および集落における調査を行い、その成果を2024年に国際会議に1件(アクセプト済)、国内学会に3件発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【I】: 定性調査の結果にもとづく定量調査まで進めることができ、予想以上に早く進められた。 【II】: 現地での予備調査を実施し、本調査に向けて情報収集を行うことができたうえ、調査対象・方法が定まってきた。本調査に向けて準備が進み、予備的考察を成果としてまとめられた。以上については概ね予定どおりである。一方で、方法論のうち、写真撮影の構図効果等についての実験が滞った。 【その他】:I, IIの結果が出た際に対照することのできる成果として郊外住宅団地および集落における2つの補足研究を先行して進めることができた。これは2023年度の計画には含まれていなかった成果である。 以上より、予定以上に進んだ部分と、滞った部分があるため、概ね良好との判断に至った。なお、写真撮影の構図効果の実験が滞ったことは、今後の写真を用いた本調査に影響するが、調査方法を工夫することで影響を回避する対応を試みることとした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度の成果を発表するとともに、IAPS国際会議で最新情報を収集、Garcia Mira氏らと意見交換をするほか、 【I】: ウェブアンケート調査の分析を進め、調査対象再開発地域の居住者および周辺地域居住者の場所愛着の違いについて検討する。また愛着の対象となる建築・景観等の要素について特徴を明らかにする。 【II】: 写真を用いたウェブアンケート調査を行い、愛着の対象となる建築・景観等の要素について考察を進める。滞った写真の構図実験については、調査方法を工夫することで影響を回避する対応を試みてカバーする。また、災害復興地域における集会施設等への場所愛着について考察を進める。一方、現地歩行時に視線計測する予備実験を行った結果をまとめ、場所愛着評価との関係について考察を進める。
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