研究課題/領域番号 |
23K26276
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補助金の研究課題番号 |
23H01582 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神吉 紀世子 京都大学, 工学研究科, 教授 (70243061)
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研究分担者 |
小浦 久子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 客員研究員 (30243174)
工藤 和美 明石工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (40311055)
植田 曉 北海学園大学, 工学部, 客員研究員 (40828779)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | ダイナミズム型都市計画 / 広域調整計画 / 個別性公認化 / アジア / 欧州 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「法的規準への合法化」と「評価された個別性の公認化」をつなぐ都市・地区計画を扱い、現状よりも個別性を多様に認め、つなぐために広域調整の計画を用いる「ダイナミズム型都市計画」を提案する。特に、種々の経過から法的規準への合法化(Legalization)に適し難い地区ごとに、環境がその地区の自己組織化された持続力に支えられ、個別の特徴として評価し得る場合に「公認化」(Officialization)する、という扱いを都市計画に構造化する計画論を提起する。国内、ドイツ、インドネシアの実働の動きをと連携し、人工知能研究分野での都市施策研究と協力し、国際的に実践性のある計画論を示す。
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研究実績の概要 |
研究の1年目として研究組織のメンバーで分担し、今後注目する事例地の最初の訪問調査等を開始した。植田はイタリアのオルチャ渓谷を対象とし、ここの世界遺産登録に際して地域居住者の役割に立脚した農村風景評価を導いたパオラ・ファリーニ教授(ローマ・ラ・サピエンツァ大学)の本研究における協力の約束も得た。(この調査の速報をイタリア文化的景観保全の実績史を、個別性公認化と広域調整の観点から整理しなおした研究報告を2024年6月に開催予定である。)小浦は対象としているドイツ・ルール工業地域の調査を行い、ルール工業地域からさらに拡張しケルンやベルギーの一部を含む更なる広域計画が着手されていること等から広域調整の考え方について情報収集し、同時にクリスタ・ライヒャー教授(アーヘン工科大学)との協力の約束も確認した。工藤は、国内の主たる対象地である兵庫県北部竹野地区の調査を行い、少子高齢化等日本の特徴的な変動傾向にあわせた個別性公認化の検討を開始した。神吉はアジアの対象地として、京都(伏見区深草、西陣)・インドネシア(ジャカルタ・ジョグジャカルタ等)・タイ(バンコク)・台湾(渓洲)、あわせてドイツ・ルール地方内のこの50年の個別性公認化のための地域変化とその創造性の評価の可能性を見出す調査に着手・現地調査・オンライン会議への参画・招聘による研究会の開催を担当した。今年度主対象地のジャカルタのKp.Akuariumを含む3カンポンは2024年1月にWorld Habitat Awardの金賞受賞(説明書に協力組織として京都大学、トヨタ財団の記載があり、これが本研究の前身の1つである)。本研究の対象地は欧州・アジアともに現地が国際的評価の対象にもなりはじめており、本研究がそうした世界的傾向を個別事例としてではなく相互関連した都市計画論を提案していくのによいタイミングになったと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目にあたって研究組織の各メンバーがそれぞれ事例地の調査に着手した。それらの学術発表等はまだ出来ていないが、来年度以降成果公表を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
欧州とアジア(と日本)で議論を共有し、また、調査成果や議論の進展を広く共有可能にしていく実働的な側面をもつ研究として推進したい。学会参加発表等以上に、この組織で研究会、フィールドスクール、ワークショップを企画・開催することに注力したい。そのためにも、1年目だが、International Research Workshopを主催し1年目の調査速報をもちよるようにした(このWorkshopは前半は本研究の前身の1つとなった挑戦的研究(萌芽)の研究会でもある)。研究対象地の協力先でも種々の方法で研究会・スクールが企画されており、オンライン・オフラインの両方を工夫して、研究の議論の進展がどのように共有先を構築するようにできるか、それ自体も研究のなかで知見を得て、広域調整論にいかしたいと考えている。
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