研究課題/領域番号 |
23K26283
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補助金の研究課題番号 |
23H01589 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (60139516)
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研究分担者 |
益子 智之 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 専任講師 (00875362)
川原 晋 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (10367047)
山田 大樹 帝京大学, 付置研究所, 講師 (20727648)
平井 幸弘 駒澤大学, 文学部, 教授 (30181134)
木谷 建太 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (50514220)
菅野 圭祐 筑波大学, 芸術系, 助教 (80778093)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 歴史文化遺産 / 山水 / フエ / 小山水圏 / 世界遺産 / 文化遺産圏 / 香江 / 文化的景観 / 阮朝 / コミュナルハウス / 歴史的環境保全 / マネジメントプラン |
研究開始時の研究の概要 |
「歴史資産とそれを中核とする周辺地域による、自然・生態系との共生を目指す範囲を「文化遺跡圏(HUEM)」と定義し、こうしたHUEMが広域に点在する地域において、調査結果を集積したGISデータベース・アーカイブスとケーススタディを通して、地域の持続的発展と歴史資産保全のためのマネジメントの方法論を提示する。 研究対象のベトナムの古都フエの香江流域圏にはユネスコ世界遺産に登録されている14の文化遺産が点在し、また、伝統集落には共用の施設が中心に存在している。 こうしたHUEMの歴史的過程の分析を含め、現代における歴史資産、文化遺産との関係によるマネジメントの多様なあり方を参与研究も含めて検討する。
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研究実績の概要 |
1)流域全体のGIS地図上において「山水の文化的景観」レイヤーとして、歴代阮主陵墓、フエ都城、阮朝皇帝陵墓、その他の歴史文化遺産と周辺の山水の関係を、それぞれの視軸が聖なる山々の山頂に正確に向いていること、その視軸と河川や湖水の関係を解明した。大南寔録に「山水の方向、頗る吉」とある山水の構成が地域全体で重なり合って流域全体の文化的景観を創り上げている実態を明らかにした。 2)上記に併せて、河岸段丘、自然堤防、支谷閉塞低地などの地形が複雑に絡み合う香江上・中流地域において、衛星画像を用いて1メートルコンターのGISマップを作成し、地形と土地利用、水系と集水域に関して分析を行った。 3)上記の地域には世界文化遺産に登録されているなどの歴史文化遺産が数多く存在していて、これらが本研究の歴史文化遺跡圏の中核となっている。これらにより、嘉隆帝皇帝陵墓、明命帝皇帝陵墓、紹治帝皇帝陵墓およびそれらの周辺隣接集落を含む土地利用、水管理システム関する変容と実態を1メーツルコンターのGIS地形図と実地調査により明らかにした。 4)本研究で定義した文化遺産圏を、ユネスコ世界文化遺産の構成資産に、香江河口部の港湾の遺跡及び伝統集落(An Truyen など)、中流の中州のコンヘン、広南阮氏時代に首府などが置かれていた伝統集落(Phouc Yen)、広南阮氏の南進と共に香江下流域にコミュナルハウスを中心に開村した伝統集落(Thanh Phuoc、Thuan Hoa B、Duong No)などを加えて、概略分析を行った。 5)参与研究の候補地である2)に記した3つの皇帝陵墓隣接集落においてフィールド調査と集落長老を対象にオーラル・ヒストリー調査を実施し、文化遺産圏の範囲の確定方法を検討し、定門村において、エコスタディツアーのシナリオを仮作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主な共同研究機関として、当初想定していたフエ歴史保存センターに加えて、フエ大学フエ科学大学との共同研究を実質的に進めることとなり、共同研究の推進方法、文化遺産圏としての研究対象地などに関する調整を進めている。 一方で、フエ大学が推進している歴史資産の三次元BIMアーカイブスとの連携により、今後の研究の新たな進展の可能性が出てきた。 以上のことから概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
大型地形模型を用いるディスカッションツールとしてのプロジェクションマッピング模型システムに替えて、より詳細な事実確認の必要性が生じたために、衛星画像を用いた1メートルコンターのGIS地形図を作製した。これを含めたGIS上にアーカイブスを作製し、参与研究として用いることを検討している。 またフエ大学が開発している三次元遺跡BIMアーカイブスとの連携することにより、研究推進を図ることを計画している。そのために、2024年8月に交流セミナーを現地調査を含めて開催する準備を進めている。その結果も含めてフエ大学との分担も含めて、詳細調査の対象としてのHUEMを確定し、調査を進めることとしている。 そうした成果をふまえて、参与研究の一環として最終年度にワークショップを共同開催することを検討している。
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