• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ブータンにおける伝統的石造民家の建築的特徴の解明と文化遺産保護手法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K26290
補助金の研究課題番号 23H01596 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分23040:建築史および意匠関連
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所

研究代表者

友田 正彦  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 副所長 (70392553)

研究分担者 海野 聡  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00568157)
金井 健  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 室長 (90359448)
マルティネス アレハンドロ  京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (50807815)
津村 泰範  長岡造形大学, 造形学部, 准教授 (60789105)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
キーワードブータン / 民家 / 石造 / 文化遺産 / 保存
研究開始時の研究の概要

本研究では、ブータンの中でも主に東部地域に分布する伝統的石造民家建築の現地調査を実施し、石造民家の伝播や定着の過程、形式技法の編年等を明らかにする。また、個別の建築調査から得られた技法や材料等に関する情報を集約し、適当な地域を選定して建築生産の体制や建築資材の流通等に関する調査を行うことにより、石造民家建築の成立背景の全体像の把握を目指す。さらに、調査対象とした伝統的石造民家の中から建築遺産として顕著な価値を有すると考えられる物件を文化遺産として指定すべき候補として抽出し、個々の状況に応じた保存修理方法や保存活用方法の提案を行うことによって、有効な保護施策の実現にも寄与しようとするものである。

研究実績の概要

研究初年次である本年度は、ブータン東部地域所在の石造古民家の基礎的把握を目的として、カウンターパートであるブータン政府内務省文化・国語振興局と共同で二次にわたる現地調査を実施し、併せて適切な調査手法等の検討を行った。
<第1次調査 2023年4月26日~5月5日>
タシガン、タシヤンツェ、モンガル、ルンツェの4県を主な対象に、計14棟の古民家について実測や聞き取り等の調査を行った。以前に調査した西部地域の版築造民家と共通する平面や木部外観を有する石造民家が広範囲に分布することが分かった一方、タシガン県やタシヤンツェ県の少数民族が暮らす辺境集落には非常に地域性の強い石造民家の存在が確認された。民家形式の発展や地域性には生活様式の変化や違いが反映していることから、こうした観点からの情報収集や調査研究に一層努めていく必要性が改めて認識された。
<第2次調査 2023年10月29日~11月4日>
中部寄りのブムタン、ウォンデュフォダン両県で 再調査も含めて計11棟の実測や聞き取り調査を実施した。石造民家と版築造民家が混在する集落も含めて調査した結果、これらの地域では、かつては版築造が支配的であったにもかかわらず、時代が下るにしたがって石造が一般化していき、やがて版築造による民家建設の伝統が途絶するという変化が生じていることが判明した。ただし、両者の構法が混在する建物における増改築過程を考察すると、単純に一方向の変化だけとも言い切れない様相が見て取れることから、さらに詳細な分析を行っていく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に従って、二次にわたる調査をブータン側カウンターパート機関と共同で実施することができ、これを通じて東部地域における石造民家の大まかな様相を把握することができた。また、遠隔地での調査が中心となるため、現地訪問に適する季節や移動に要する時間など様々な制約があるが、そうした点についても状況把握ができたことから、今後の調査をより円滑に実施できる条件が整ったということができる。

今後の研究の推進方策

東部地域において建設年代が古いと思われる物件や、規模や形式においてきわだった特徴を持つ石造民家物件のさらなる発見に努めるとともに、その詳細な記録と情報収集を継続していく予定である。特に東端のタシガンとタシヤンツェの両県で昨年度調査により確認した地域性の強い石造民家については、同じ集落内で所在を把握している類例建物の悉皆的調査に加えて、同一の文化圏に属する近接地域等における民家形式の様相を把握に努める。
また昨年は、以前の共同調査により発見した版築造民家のうち最古例に属すると評価される物件が民家としては同国初の国指定文化遺産となったことから、その保存修理と活用検討についても支援を要請されるなど、カウンターパートとの研究協力の成果が表れると同時に、新たな発展的課題への取り組みも必要な状況となっている。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 内務省文化・国語振興局(ブータン)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ブータンの伝統的石造民家の建築的特徴と文化財的価値の評価 その2:タシガン県、タシヤンツェ県、モンガル県及びルンツェ県における建築学的調査の概要2024

    • 著者名/発表者名
      金井健、友田正彦、淺田なつみ、黒岩千尋
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] ブータンの伝統的石造民家保存のための建築調査 2023年春調査概報2024

    • 著者名/発表者名
      友田正彦、金井健、淺田なつみ、黒岩千尋
    • 総ページ数
      73
    • 出版者
      東京文化財研究所
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi