研究課題/領域番号 |
23K26303
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補助金の研究課題番号 |
23H01609 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
水書 稔治 東海大学, 工学部, 教授 (80433910)
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研究分担者 |
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任教授 (60292835)
太田 匡則 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60436342)
大屋 真 国立天文台, 先端技術センター, 准教授 (80399287)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 流れの可視化 / 補償光学 / 干渉計 / 野外実験 / 干渉計法 / 野外計測 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、野外での望遠可視化計測に取り組み、背景型シュリーレン法(BOS法)で爆風圧分布の可視化計測を世界ではじめて実現し、さらに、大気擾乱で歪んだ光波面の復元(波面補償)を連接させた補償光学型BOS法を創成した。本課題では、これを発展させ、 野外での望遠干渉計測法を創成する。まず、大強度大気擾乱の特性を明らかにし、独自考案の到来角制御と補償光学系で、大きく歪んだ光波面を復元する。次に、複屈折結晶の微細加工で位相変位点回折素子を創成し、革新的精度(1/100 波長) を実現する。本課題の成果は、航空科学およびカーボンニュートラルに広く寄与できる。
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研究実績の概要 |
野外での流れの光学的可視化では、高解像度を求めて大口径望遠レンズを用いると、大気擾乱による波面ゆがみで解像度が制限され、高精度で安定な計測ができない。研究代表者らは、野外での望遠可視化計測に取り組み、背景型シュリーレン法(BOS 法)で爆風圧分布の可視化計測を世界ではじめて実現し、さらに、大気擾乱で歪んだ光波面の復元(波面補償)を連接させた補償光学型BOS 法を創成した。本課題では、これを発展させ、野外での望遠干渉計測法を創成する。まず、大強度大気擾乱の特性を明らかにし、独自考案の到来角制御と補償光学系で、大きく歪んだ光波面を復元する。次に、複屈折結晶の微細加工で位相変位点回折素子を創成し、革新的精度(1/100 波長) を実現する。本課題の成果は、ソニックブームの伝播、後方乱気流の発達解明、eVTOL(電動垂直離着陸機)や発電用風車が発する旋回流の環境影響計測など、航空科学およびカーボンニュートラルに広く寄与できる。 研究期間を、3年間とし、研究構成を次の3項目に設定している。すなわち、「I. 到来角安定・位相補償の実現」、「II. 位相変位点回折素子の創成」、及び「III. 望遠干渉計の創成」である。 「I. 到来角安定・位相補償の実現」では、サブテーマとして、(1)大気擾乱計測・評価、及び(2)到来角安定・位相補償光学系の設計・製作で構成される。「II. 位相変位点回折素子の創成」では、サブテーマとして、(1)位相変位点回折素子の設計・製作、及び(2)特性評価実験、で構成される。「III. 望遠干渉計の創成」では、サブテーマとして、(1)望遠干渉光学系の創成・実験、及び(2)1/100波長干渉縞解析の実現で、構成される。これらの研究項目及び研究項目を構成するサブテーマに取り組むことで、研究目的の達成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究構成を、「I. 到来角安定・位相補償の実現」、「II. 位相変位点回折素子の創成」、及び「III. 望遠干渉計の創成」、の3構成で取り組んでいる。当初の研究予定は,以下であった。 「I. 到来角安定・位相補償の実現」では,(1)大気擾乱計測・評価、(2)到来角安定・位相補償光学系の設計・製作、及び(3)到来角安定化制御、への取り組みである。このうち、大気じょう乱計測においては、計測データの解析プログラムが未完成である。プログラム開発途中で、実験画像の適切な解析結果が得られないためであり、改修作業が進行である。また到来角安定化制御では、やはりプログラムによるハードウエアへの制御の最適化が未達成である。低周波数でのゆらぎには対応可能だが、高周波数のゆらぎに対しては、追随性が十分ではなく、改善中である。 「II. 位相変位点回折素子の創成」では、(1)位相変位点回折素子の設計・製作、及び(2)特性評価実験、である。位相変位点回折素子の設計・製作では、点回折素子製作に不可欠な複屈折結晶の入手が、海外製であるために納期に当初予定に比べて大幅な納期遅れが発生したため、年度内に正確に着手できていない。このため、特性評価実験も未達成である。現在、製作準備が整い次第、遅れを取り戻す。 「III. 望遠干渉計の創成」では、(1)望遠干渉光学系の創成・実験、及び(2)1/100波長干渉縞解析の実現、である。本項目のうち、望遠干渉光学系が基本構成が完成したが、可視化実験に至るまでの完成度が得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は,計画に準じた研究進捗となるよう研究分担者と連携して進める.また、現時点で計画から遅延している項目の原因の多くは判明しているため、早期に解決する。
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