研究課題/領域番号 |
23K26308
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補助金の研究課題番号 |
23H01614 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
月崎 竜童 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (70720697)
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研究分担者 |
森下 貴都 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 研究開発員 (30968475)
西山 和孝 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (60342622)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | マイクロ波 / プラズマ / レーザ誘起蛍光法 / イオン / スパッタリング / カソード / LIF法 / Time-resolved / イオンエンジン / 中和カソード |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロ波放電式カソードは宇宙用プラズマ推進機の中核要素として世界で初めて申請者らが実用化を果たしたものの、プラズマ中のイオンが壁面に衝突することでスパッタリング損耗がおき、宇宙機表面の劣化やカソードの故障を引き起こしている。このイオンのエネルギーは、単純に中和器の印加電圧だけでは説明がつかないため、申請者はプラズマ電位の振動エネルギーがイオンを加速している可能性に着目し、従来構築してきた数値計算・レーザ分光計測・プローブ計測を時間分解能のあるシステムへと発展させ、プラズマの時間分解能的ダイナミズムを3次元的に捉えることで、イオンの加速過程の物理を明らかにする。
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研究実績の概要 |
マイクロ波放電式カソードは宇宙用プラズマ推進機の中核要素として世界で初めて申請者らが実用化を果たしたものの、プラズマ中のイオンが壁面に衝突することでスパッタリング損耗がおき、宇宙機表面の劣化やカソードの故障を引き起こしている。このイオンのエネルギーは、単純に中和器の印加電圧だけでは説明がつかないため、申請者はプラズマ電位の振動エネルギーがイオンを加速している可能性に着目し、従来構築してきた数値計算・レーザ分光計測・プローブ計測を時間分解能のあるシステムへと発展させ、プラズマの時間分解能的ダイナミズムを3次元的に捉えることで、イオンの加速過程の物理を明らかにする。 研究1年目は、時間分解能のないTime-averagedレーザ誘起蛍光法(LIF法)にて、マイクロ波カソードのイオン速度関数の2次元計測を行った。これらの計測では、2つ以上のイオン速度関数が合成された結果が確認された。カソードの作動電圧以上まで加速されたイオンも確認されており、RPAなどの別の手法での計測結果とも整合する結果を得た。さらに実際の宇宙機同様、GNDから切り離して計測を行い、差を定量的に評価している。現在は、磁場の極性を変更して計測に取り組み、磁場の影響を定量的に評価中である。 また手法確立を目的に、Time-resolved LIF法を先行研究で実績のあるホローカソードに適用し、データ取得に成功した。現在はSN比など定量的なデータ解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Time-averaged 計測によるマイクロ波カソード周辺の定量的な2次元計測に成功し、この学術成果を論文にまとめている。更に難関であったTime-resolved計測の手法実証にも先行研究で実績のあるホローカソードでは成功しており、順調に研究は遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
ホローカソードで手法実証に成功したTime-resolved LIF法は、マイクロ波カソードに適用するにあたり、周波数が高周波化とSN比の低下の2つが課題として、推測される。 より高速な計測計にするために、10-100kHzオーダに対応した計測装置の導入を行う。また現行のセットアップでSN比の改善などを図り、マイクロ波カソードへのTime-resolved計測の準備を進める。 マイクロ波カソードでのTime-averaged計測によるデータ取得も今年度完了させる。
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