研究課題/領域番号 |
23K26310
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補助金の研究課題番号 |
23H01616 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田中 光太郎 茨城大学, 応用理工学野, 教授 (10455470)
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研究分担者 |
鈴木 俊介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60837623)
酒井 康行 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (70511088)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | アンモニア / 含窒素多環芳香族 / フローリアクター / 化学反応モデル / 熱機関 / アンモニア炭化水素混焼 / 流通反応管 / ガスクロマトグラフ質量分析計 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンニュートラルに向け、電動化が難しい大型舶用エンジンや発電用ガスタービンでは、水素キャリアであるアンモニアの利用が検討されており、既存システムの低炭素化を簡便に進めるため、アンモニアと炭化水素の混焼が進められている。しかし、この混焼では炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)が燃焼場で複雑に反応して生成する含窒素有機化合物の排出が問題となるが、その生成過程に関しては不明な部分が多い。そこで本研究では、含窒素有機化合物の中で、微量でも人体や環境に有害な含窒素多環芳香族の生成過程に焦点を当て、その生成過程を明らかにする 。
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研究実績の概要 |
燃焼場といった高温非定常反応場における含窒素多環芳香族の生成過程を明らかにするため、流通反応管を用いた反応実験と量子化学計算を用いた反応経路解析を組み合わせた研究を進めている。2023年度は初年度にあたり、流通反応管の実験においては含窒素多環芳香族を計測するガスクロマトグラフ質量分析計を新たに購入し、その導入を行った。導入にあたっては既設反応管の分解等を行ったことから、実験の精度を維持するため、装置の温度分布の計測、真空の保持など装置の準備を丁寧に行った。そして、流通反応管とガスクロマトグラフ質量分析計を組み合わせ、トルエンを用いて多環芳香族類の計測ができることを確認した。構築した装置を用い今年度はトルエン、エチレンとアンモニアをそれぞれ混合した燃料を用いて含窒素多環芳香族の計測を進めた。当量比は9、温度は1000 ~ 1350 Kとし、計測を行った。温度の上昇に伴い生成量が増加し、1200 K近傍では生成量が減少するという結果が得られた. 量子化学計算では既往の研究の調査を進め、アンモニアとメタンを混合した燃料を用いた場合に特殊な着火挙動があることを確認し、そのメカニズムについて明らかにした。化学反応モデルでは含窒素多環芳香族の生成モデル濃度を計算できるものはなく、量子化学計算により含窒素多環芳香族の生成過程に関して新たな経路を検討した。次年度以降反応経路解析を加速させ、モデル構築とともに含窒素多環芳香族の生成経路を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は装置構築とアンモニアと炭化水素混合燃料の燃焼過程における含窒素多環芳香族の計測を実施した。混合する炭化水素は既存燃料に含まれている炭化水素からトルエンとエチレンを選択した。初年度は装置構築に時間がかかったが、概ね予定通りの実験を進めた。 量子化学計算を用いた反応解析では既存研究の再調査とともに既存モデルを用いたアンモニア炭化水素混合燃料の燃焼過程に関して解析を行った。量子化学計算は既存ソフトウェアを活用していることから年度初期から研究を開始し、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目は1年度目と同様に常圧の流通反応管を用いて、アンモニアとメタン及びn-デカンをそれぞれ混焼させた場合の含窒素多環芳香族及びその他の多環芳香族や含窒素有機化合物、窒素酸化物の定量計測を行う。そして、初年度に行ったトルエン、エチレンとアンモニアの混合燃料の結果と合わせ、4種の構造の異なる炭化水素とアンモニアをそれぞれ混焼させたときの含窒素多環芳香族の生成量の違いから、含窒素多環芳香族の生成過程について検討を行う。 生成過程の検討には、実験結果を再現する燃焼反応モデルの活用が有効であり、1年目に行った量子化学計算に基づく反応経路を、既存のアンモニア-メタン、エチレン混焼モデルに加え、含窒素多環芳香族の生成を定性的に予測する燃焼反応モデルの構築を行う。その際必要になる含窒素多環芳香族の生成反応の反応速度定数については、量子化学計算から求める。
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