研究課題/領域番号 |
23K26323
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補助金の研究課題番号 |
23H01629 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
川島 英幹 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (20450679)
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研究分担者 |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252255)
新川 大治朗 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (40785549)
澤田 祐希 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (60711356)
濱田 達也 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (00608630)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 抵抗低減 / 渦制御 / 音響流 / 剪断力計測 |
研究開始時の研究の概要 |
船舶の船体や推進器の周りに発達する乱流境界層の中では、大規模な縦渦構造が発生し、流体抵抗や推進効率低下の原因となっている。これらの縦渦の発達を抑制することができれば、流体抵抗低減や推進効率向上が可能となる。 そこで、乱流境界層中における縦渦構造の発生を、V字電極型剪断力計により、剪断力の二次元の変動として捉えることで検知し、水中で流体を壁面から直接制御可能な音響流放射型流場制御デバイスを用いて、縦渦構造の発達の抑制する方向・速度の音響流を放射することで流体抵抗を低減する方法を研究する。
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研究実績の概要 |
本研究は、乱流境界層中における縦渦構造の発生を、V字電極型剪断力計により、剪断力の二次元の変動として捉えることで検知し、水中で流体を壁面から直接制御可能な音響流放射型流場制御デバイスを用いて、縦渦構造の発達の抑制する方向・速度の音響流を放射する手法を研究することで、船舶の船体や推進器の周りの乱流境界層中に発生する大規模な縦渦構造の発達を抑制することにより、流体抵抗低減や推進効率向上を図ることのできる方法の開発を目的としている。 令和5年度は、渦構造抑制用音響流放射型流場制御デバイスの開発として、音響流放射型流場制御デバイスを対向して配置し、入力電力の電圧をデバイス毎に独立して制御することにより、流速、角度など所要の音響流を発生することができる渦構造抑制用音響流放射型流場制御デバイスの設計を行い、試作デバイスの製作を行った。 また乱流境界層内で発達する渦構造検知方法の研究として、音響流と同様の流れを簡便に模擬できる水流発生装置を製作し、音響流と同様に壁面に対して約30度の水流を噴射できるようにし、その流れを対象にPIV計測、V字型剪断力計での剪断力計測を行った。製作した水流発生装置を用いて、小型流路に水を流した状態で水流を噴射すると、あたかも固体の棒状に物があるかのような流れが出現し、その両側にカルマン渦状の渦が交互に出現することが観測された。本計測の結果から、音響流放射時に励起されると考えられる渦構造と、主流中の渦構造を的確に干渉させることができれば、主流中の渦構造抑制することが可能であるという見通しが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音響流放射型流場制御デバイスを対向して配置し、入力電力の電圧をデバイス毎に独立して制御することにより、流速、角度など所要の音響流を発生することができる渦構造抑制用音響流放射型流場制御デバイスの試作デバイスを設計し、その設計を基に試作デバイスの製作を行った。現在のシステムで音響流放射デバイスを作動させるためには、高速バイポーラ電源とマルチファンクションジェネレータが必要であるが、必要な周波数帯の高速バイポーラ電源が製造中止となり、令和5年度はリースにて対応することなった。現在中古品を調達するべく探しているところである。そのような状況であるため、名古屋大学において、音響流放射デバイスを使わずにV字型電極による剪断力計測と渦探知方法の開発が可能となるように、簡易的に音響流放射を模擬できる水流装置を製作し、小型流路内での計測に使用できるようにした。その結果、主流と水流装置から噴射した水流の干渉現象をPIVにより解析することができた。このように、多少の問題は発生したが、全体として、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
「渦構造抑制用音響流放射型流場制御デバイスの開発」音響流放射型流場制御デバイスを対向して配置し、入力電力の電圧をデバイス毎に独立して制御することにより、流速、角度など所要の音響流を発生することができる渦構造抑制用音響流放射型流場制御デバイスを開発する。開発した渦構造抑制用音響流放射型流場制御デバイスを用いて、乱流中に発生する渦構造に対して、渦の発達を抑制するよう音響流を放射し、渦構造の発達を阻害することにより抵抗の低減を図る方法を研究する。対抗配置型音響流発生装置の設計・製作をを行ったので、本装置の基本特性を計測した上、発生状況が把握しやすい翼形状に発生する渦を対象に、音響流放射により渦構造の発達を抑制する方法を検討し、音響流放射による翼端渦の抑制実験を行う。実験は小型高速流路において実施する。 「乱流境界層内で発達する渦構造検知方法の研究」乱流境界層内においてV字型電極剪断力計による二次元の剪断力の計測とPIV計測を同時に行う事により、乱流境界層中で縦渦構造が発達する時に、壁面上の剪断力がどのように変化するか調査する。実験は小型流路において行う。水流装置を用いて、噴流と主流の干渉現象の基本特性を把握する。続いて比較的渦構造の発達状況が把握し易い翼形状に発生する渦等を対象に、渦構造の発達と剪断力の変化の関係を明らかにする。そして平面上で発達する乱流境界層内における縦渦構造渦の発生と剪断力の二次元の変動の関係を明らかにする。小型流路での実験で取得した剪断力の変動データと渦構造の発生状況の関係を機械学習により評価し、剪断力の変化から大規模渦構造の発生を予想できるようにする。「渦構造抑制制御による乱流抵抗低減法の開発」これらの成果を統合し、剪断力の計測により検知した縦渦構造に対して、所要の音響流を放射し、その発達を抑制することにより抵抗低減を図る流場制御システムを開発する。
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