研究課題/領域番号 |
23K26329
|
補助金の研究課題番号 |
23H01635 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山田 哲男 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90334581)
|
研究分担者 |
岡本 一志 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10615032)
山田 周歩 富山県立大学, 工学部, 講師 (10845580)
長沢 敬祐 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (50758159)
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
井上 全人 明治大学, 理工学部, 専任教授 (60365468)
石垣 綾 東京理科大学, 創域理工学部経営システム工学科, 教授 (50328564)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | 再生可能エネルギー / 再製造 / サプライチェーン / AI数理協働 / SDGs経営 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、組立製品の生産・物流網の脱炭素化へグローバル(海外調達・製品輸出)から地域ローカルな再エネと再製造(循環経済)を統合し、グローカルに調整・満足化を行うAIと数理モデルの協働GX(グリーントランスフォーメーション)をデザインし、天候による途絶、コストやCO2排出量の増加を低減する天候駆動型サプライチェーンのGX支援システムを開発する。
|
研究実績の概要 |
本年度は、インパクトファクターや国際共著を含む査読付き論文6件、オーガナイズを含む国際・国内会議19件と図書2件で発表し、講演会開催と国際会議発表による受賞3件があった。
(1) 再エネ予測エンジンとAI調整による作業スケジューラの開発 複数のタスクが存在する状況において、各タスクのスキル・雇用コスト・チームサイズ・重複制約の4種類の制約条件を全て満たすチームを、ワーカプールから同時に形成する手法を開発した。また、太陽光発電を有する施設の電力需給マネジメントにおいて、ジョブ・ショップ制御方策を用いた蓄電池併用時の買電・充電切換えシミュレーション法を提案するとともに、ある物流センターの実消費電力量と太陽光仮想発電量について季節や時間帯の特性やオンデマンド流動数管理法の効果を、事例を通じて分析した。 (2) 再エネ途絶サプライチェーンの設計 生産・再製造システムにおけるSDGsの考慮を念頭に、地方創生や再生可能エネルギー材料の温室効果ガス排出量規制、COVID-19によるサプライヤー途絶、輸送の遅延、CSRや労働人口の変動といったリスクを考慮して、サプライチェーンの強靭化を目的とする循環型サプライチェーン設計のモデル化を行った。また、製造・再製造工程の意思決定を自動的に調整し、回収品の価値を判別する過程を組み込んだサプライチェーンを設計した。 (3) 国境炭素税とLCAによる製品・SDGs経営のデザイン SDGs経営については、化学産業企業を対象としたmixed methodologyを用いたサーキュラーエコノミーに関する情報開示の傾向と、その背景にある企業のマネジメント活動について分析を行った。製品・物流デザインについては、環境性と経済性の観点を同時に考慮することで、複数の製品アーキテクチャ候補を絞り込むことが可能なシステムを提案するとともに、サプライチェーンにおけるDesign for Logistics(DfL)に関して国内20事例の調査・分析を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際会議と国内会議でのオーガナイズドセッション、国内外研究者を招いたサステナブル交通講演会の企画や、図書2件や国際共著論文1件で研究成果を発信し、その成果の一部は国際会議における受賞3件となったため。具体的には、The 7th Asian Conference of Management Science and Applications (ACMSA2023)ではSpecial Session「Sustainable Manufacturing and Service」で11件、日本設備管理学会2023年度秋季研究発表大会ではオーガナイズドセッション「リバースサプライチェーンと設備経営」で4件の発表をとりまとめ、研究成果を発信した。 こうした成果から、国際会議23rd Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems (APIEMS2023)ではOutstanding Paper Award、ACMSA2023ではExcellent Paper of Special Sessionsを受賞した。さらに、本研究の修士学生が国際会議International Symposium on Scheduling 2023 (ISS2023)ではドイツの大学との国際共同研究による論文発表が評価されて、スケジューリング学会奨励賞を受賞した。 以上の取り組みは、隔月でのオンライン打合せや、研究支援員と技術支援員の協力などによる継続的な研究活動によって行われた。
|
今後の研究の推進方策 |
次の各テーマで研究を推進し、その研究成果は海外誌特集号の企画、国際ワークショップや講演会の開催を企画するなどして成果発信を行う。
(1) 再エネ予測エンジンとAI調整による作業スケジューラの開発 クラウドソーシングで複数のタスクを受注している状況において、各タスクを遂行するためのチームをクラウドワーカプールから同時に形成する手法を開発する。また、充電ステーションの施設配置とスクーターの材料サプライヤーを決定する再エネ電動バイク・シェアリング交通の2段階計画法を提案する。 (2) 再エネ途絶サプライチェーンの設計 COVID-19や災害などによるサプライチェーンの混乱などの不確実性を伴う事象を考慮や、回収品の価値を判別する指標を用いて、循環サプライチェーンをモデル化する。さらに、Design for Logisticsの観点より、グローバルで製品を展開する際に考慮するべき設計の要素を整理したモデル化を行う。 (3) 国境炭素税とLCAによる製品・SDGs経営のデザイン 使用済み(EOL)製品の再製造では、アップグレードを導入してGHG回収率と利益を満足化する各部品のライフサイクルオプション選択法や、更新や修理が容易な製品アーキテクチャを設計する手法を提案する。また、サプライチェーンネットワークをモデル化し、グローバルサプライチェーンでは自由貿易協定下で炭素価格や排出枠の影響や、リバースサプライチェーンではリサイクルにより回収される材料のGHG排出量に応じて炭素税が還付される効果について、それぞれ分析する。さらにSDGs経営では、サステナビリティ情報開示のテキスト分析を行う。
|