研究課題/領域番号 |
23K26338
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補助金の研究課題番号 |
23H01644 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕之 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 教授 (20397053)
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研究分担者 |
小室 孝 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10345118)
香川 景一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30335484)
中野 和也 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (80713833)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 生体認証 / イメージングシステム / 画像処理 / 生体計測 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでにセンサーの前で振りかざすだけで高速に認証処理を実現可能な指静脈認証システムの開発を目指し,静脈画像の撮像システムや,照合手法の研究を行ってきた.本研究では,より高いレベルでのロバスト性を実現するため,3次元静脈画像取得方法と,3次元静脈画像から本人を特定する生体特徴への変換方法及び照合手法の開発を行う.本研究で扱う3次元の静脈画像は,深さの異なる階層的2次元像による3次元静脈画像と,ステレオカメラで撮像した表層ボリューム3次元静脈画像の2種類を検討する.これらは従来の2次元画像とは扱いが異なるため,それぞれの3次元画像に適した生体特徴の生成手法及び照合手法を検討する.
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研究実績の概要 |
我々はこれまでにセンサーの前で振りかざすだけで高速に認証処理を実現可能な指静脈認証システムの開発を目指し,静脈画像の撮像システムや,照合手法の研究を行ってきた.本研究課題では,より高いレベルでのロバスト性を実現するため,3次元静脈画像取得方法と,3次元静脈画像から本人を特定する生体特徴への変換方法及び照合手法の開発を行っている.本研究で扱う3次元の静脈画像は,深さの異なる階層的2次元像による3次元静脈画像と,ステレオカメラで撮像した表層ボリューム3次元静脈画像の2種類を検討する.これらは従来の2次元画像とは扱いが異なるため,それぞれの3次元画像に適した生体特徴の生成手法及び照合手法を検討する. 2023年度は,深さの異なる階層的2D静脈撮像システムの検討として,手に照射するストライプ光のピッチ間隔と得られる静脈像の関係について分析を行い,高精度な認証に適したピッチ間隔を定めた.また,3Dボリューム静脈画像撮像システムの検討として,手や指をステレオカメラで撮像し,表層の血管像をボリュームデータとして撮影するための撮像システムの構築を行った.さらに生体特徴の抽出手法検討として,ストライプ光を照射して得られる撮影画像から,深い血管像と表層付近の血管像とを同時に再構成する手法を開発した.また,これらの異なる血管像を統合的に照合する手法の検討を行った. 上記の研究成果について,国内学会3件,国際学会2件の研究発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は深さの異なる階層的2D静脈撮像システムの検討,3Dボリューム静脈画像撮像システムの検討,これらの撮像システムから生体特徴を抽出する手法の検討を計画し,それぞれについて十分な研究成果を得ることができたことから,順調に進捗していると言える.一方で,3Dボリューム静脈画像システムについては,撮像システムで得られた画像から3Dボリューム画像への再構成手法の検討は行えていないが,これは多くの試行錯誤が必要と考えていたため,想定通りである.また,生体特徴の抽出については,提案手法の精度評価を行えていないが,これについてもサンプル採取の準備に時間がかかることから想定通りであり,2024年度以降に手法の改良を行いつつ,精度評価を実施する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,ストライプ光照射方式の撮像システムによって,深さの異なる2次元血管像を取得できることを確認し,照合に有用な生体特徴を抽出する手法の検討を行った.またステレオカメラで3次元撮影を行う撮像システムを構築し,ボリュームデータを生成する手法を検討した.2024年度は,深さの異なる階層的2次元血管像を照合する手法の検討として,どの階層の静脈画像が個人を識別するのに有用であるかを調査し,この調査を基に精度の高い照合を実現する手法を開発する.また,3次元ボリュームデータの照合手法として,手の形状情報と表面の2次元血管像をそれぞれ別の生体特徴として取得し,手の形状照合と表面血管像照合を組み合わせたマルチモーダル認証について検討する.2025年度は,ウォークスルー型の生体認証として撮影,照合を含む一連の認証処理を高速に実現するシステムの検討を行う.具体的には,GraphicsProcessing Unit(GPU)やマルチコアCPUによる並列処理を利用した実装方法について検討を行う.認証の処理時間としては,一人の認証処理で,一秒以内を目標とする.この実験システムを用いて,提案技術の実用的な性能について評価を行う. また,上記研究で得られた研究成果を日本光学会,電子情報通信学会等の国内学会に2~4件程度,SPIE,Optica等の国際学会に1~2件程度発表をそれぞれの年度ごとに行う.また上記学会の論文誌への論文投稿を行う.
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