研究課題/領域番号 |
23K26388
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補助金の研究課題番号 |
23H01695 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
井上 史大 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00908303)
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研究分担者 |
多喜川 良 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80706846)
藤野 真久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (70532274)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2024年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | ハイブリッド接合 / チップレット / 原子層堆積 |
研究開始時の研究の概要 |
立体的にデバイスを積層し、さらなる高性能化、高集積化が達成可能な3Dヘテロデバイス技術が大きな注目を浴びている。その集積において最も重要な技術課題はデバイス間の相互通信接合技術である。微細化は接合技術でも非常に進行しており、原子レベルの膜厚コントロールが可能な接合表面形成手法が求められている。本研究のねらいはウエットプロセスであり、かつ電解による制御の不要な化学反応のみの原子層堆積法である、無電解原子層堆積法(EL-ALD)をCu-Cu接合に応用することにある。堆積、接合プロセス両者での局所的なダイナミクスを解明し、新たな原子レベル金属堆積法に加え、それを応用した新規な低温接合法確立を目指す。
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研究実績の概要 |
微小ピッチ化したハイブリッド接合では Cuパッドのリセスを5 nm以下に抑えることを満たす必要がある。ALDやE-ALDを検討するにしても最低限のCMPの精度とハイブリッド接合の界面に関する基礎検討が必要である。2023年度はそれらの表面、界面における現象理解に着目し開発を進めた。ハイブリッド接合におけるCu-Cu接続のメカニズムはCuとILDの間の線熱膨張係数(CTE)の差に起因する接合後のアニーリング中のCuパンピング(またはCuバルジアウト)であることが知られている。Cuパッドが接続面の両側で大きく凹んでいる場合、Cuパッド間の隙間は閉じられないか、少なくとも塞ぐために許容される温度をはるかに超える温度域での熱処理が必要になる。ゆえにバリアCMP中Cu、バリアメタル SiCNの研磨速度の選択性は、高い接合率を実現するために非常に重要である。さらにCMP後の洗浄工程(P-CMP)では、Cu表面を変化させることなく残留スラリーや残留物、汚染を除去または低減することが求められる。Cu CMPのスラリーには通常、ベンゾトリアゾール(BTA)などの腐食防止剤が使用されている。これは高い不溶解性を持つため、CMP後もCu表面に残る可能性がある。腐食防止剤は、長い間Cu ダマシンプロセス用に研究されてきたが、Cu-Cu 結合の阻害剤となる可能性があるためハイブリッド接合に対しては、さらなる研究が必要である。BTAは、P-CMP工程で使用される洗浄液によって除去される可能性がある。しかし、洗浄液はCu表面に深刻な凹みを引き起こす可能性がある。したがって、私たちはCu/SiCNハイブリッド接合で用いられるCMP工程、特にCuパッド表面の凹みの低減に焦点を当てて、研究を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイブリッド接合のためのCu、Ta、SiCNのCMPを研究した。ゼータ電位測定によりアルカリ性スラリーとSiCNの間の絶対ゼータ電位差が酸性スラリーと SiCNの絶対ゼータ電位差よりも大きいことが示唆された。これは酸性スラリーと比較して、アルカリ性スラリー中でのSiCN表面の反発静電力が強いことを示している。したがってP-CMP洗浄を考慮すると、アルカリ性スラリーの方が適していると考えられる。さらに、アルカリ性条件下では、アルカリ性スラリーとSiO2との間の絶対ゼータ電位差はSiCNの絶対ゼータ電位差よりも大きくなっている。したがって、アルカリ性スラリーを用いたCMPでは、SiO2の除去速度よりもSiCNの研磨速度を容易に調整することができると分かった。CuのP-CMP 洗浄では、XPS結果とOCP測定により、アルカリ性洗浄液が腐食防止剤と汚染を効果的に除去し、Cu酸化膜の成長を防止することが示唆された。したがって、アルカリ性下でのCuのP-CMP洗浄は、Cu表面の凹みを最小限に抑えることができる。以上より、アルカリ性スラリー、アルカリ性P-CMP洗浄液、SiCNは、ハイブリッド接合のための粒子フリーかつ非選択的な研磨表面仕上げを実現するための組み合わせになり得ると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の結果より、ALDやE-ALDの下地となる状態を作成するプロセスが完成した。この情報をもとにパターン基板上での原子層堆積を検討する。パターンウエハにはSiCNを使用したものを使用する。このウエハの準備及びプロセス詳細の議論では分担者である産総研藤野氏と議論が進んでいる。さらにALD-AlOのダイレクト接合も検討を行う。すでに堆積は300mmウエハでの検討が進んでおり、接合も300mmウエハでの実験の目途がついている。この接合のメカニズム解析については分担者である九州大学多喜川氏と協力し進める。
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